第26回 言語聴覚士国家試験 第82問
臨床神経学第26回
神経筋疾患と病態との組合せで誤っているのはどれか。
a.パーキンソン病 ——————— ミオトニア
b.筋強直性ジストロフィー ——— 安静時振戦
c.多発性硬化症 ———————— 眼球運動障害
d.脊髄小脳変性症 ——————— 協調運動障害
e.進行性核上性麻痺 —————— 姿勢反射障害
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b
パーキンソン病はミオトニア(筋強直)を病態として持たず、筋強直性ジストロフィーは安静時振戦を主症状としません。これらの疾患と病態の組み合わせが誤っています。
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【各選択肢の解説】
a. パーキンソン病 ——— ミオトニア
❌ 誤り。パーキンソン病の主症状は「安静時振戦・固縮・無動」です。ミオトニア(筋強直:筋収縮後に弛緩が遅延する現象)はパーキンソン病には見られず、筋強直性ジストロフィーやミオトニア先天性の特徴です。パーキンソン病の固縮は「歯車様固縮」であり、ミオトニアとは異なります。
b. 筋強直性ジストロフィー ——— 安静時振戦
❌ 誤り。筋強直性ジストロフィーの主症状は「ミオトニア・進行性筋萎縮・内分泌異常」です。安静時振戦はパーキンソン病の特徴的症状であり、筋強直性ジストロフィーには見られません。両疾患を混同しやすいため注意が必要です。
c. 多発性硬化症 ———— 眼球運動障害
✅ 正しい。多発性硬化症は中枢神経白質の炎症性脱髄疾患であり、眼神経炎や脳幹病変により「眼球運動障害(視線固定困難・眼振)」を呈します。これは多発性硬化症の典型的な神経症状です。
d. 脊髄小脳変性症 ——— 協調運動障害
✅ 正しい。脊髄小脳変性症は小脳の変性により「協調運動障害(小脳性運動失調)」を主症状とします。言語への影響も著明で、断綴性発話・不規則な話速を呈します。
e. 進行性核上性麻痺 ——— 姿勢反射障害
✅ 正しい。進行性核上性麻痺はパーキンソン病と異なり、特に「姿勢反射障害(転倒しやすさ)・眼球運動制限(特に垂直方向)」が特徴です。これがパーキンソン病との重要な鑑別点です。
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【試験対策ポイント】
| 疾患 | 安静時振戦 | ミオトニア | 固縮 | 協調運動障害 | 姿勢反射障害 |
|---|---|---|---|---|---|
| パーキンソン病 | ✓ | ✗ | ✓(歯車様) | ✗ | △弱い |
| 筋強直性ジストロフィー | ✗ | ✓ | ✗ | ✗ | ✗ |
| 脊髄小脳変性症 | ✗ | ✗ | ✗ | ✓ | △ |
| 進行性核上性麻痺 | △弱い | ✗ | ✓ | ✗ | ✓ |
| 多発性硬化症 | ✗ | ✗ | ✗ | ✗ | ✗ |
**よくある混同ポイント**
- パーキンソン病「vs」筋強直性ジストロフィー:前者は「安静時振戦+固縮」、後者は「ミオトニア+筋萎縮」
- 固縮の種類:パーキンソン病は「歯車様」+「鉛管様」、ミオトニアは筋弛緩の遅延
- 進行性核上性麻痺の特徴:パーキンソン病より「姿勢反射障害」「垂直眼球運動制限」