第26回 言語聴覚士国家試験 第85問
嚥下障害第26回
嚥下内視鏡検査で評価できないのはどれか。
- 1.喉頭の知覚
- 2.声帯の運動
- 3.喉頭挙上の距離 ✓
- 4.嚥下反射の惹起性
- 5.梨状陥凹の唾液貯留
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 喉頭挙上の距離
嚥下内視鏡検査(VE)は嚥下時のホワイトアウト(咽頭コントラクションにより視野が遮蔽される)のため、喉頭の上下移動の「距離」を正確に測定できません。喉頭挙上の距離測定には嚥下造影検査(VF)が必須です。
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【各選択肢の解説】
1. 喉頭の知覚
✅ 正しい。VEで評価できます。咽頭ファイバースコープを用いて咽頭粘膜への接触刺激を加え、知覚(反応)の有無を確認できます。喉頭侵害受容機能の評価は失嚥予防に重要です。
2. 声帯の運動
✅ 正しい。VEで評価できます。嚥下時前に声帯の開閉運動を観察して、内転(閉鎖)の程度を確認します。声帯の開閉不全は誤嚥リスク増加を示します。
3. 喉頭挙上の距離
❌ 誤り(これが正答)。VE検査では嚥下反射時にホワイトアウトが生じ、喉頭の上下移動そのものを直接観察できないため、距離を計測できません。この評価にはVF(嚥下造影検査)が必要です。
4. 嚥下反射の惹起性
✅ 正しい。VEで評価できます。反射の「有無」や「惹起されやすさ」を確認でき、反射低下や嚥下困難の原因把握に有用です。
5. 梨状陥凹の唾液貯留
✅ 正しい。VEで評価できます。梨状陥凹への唾液・食物の貯留は誤嚥や残留の重要な指標で、VEでは嚥下前後の貯留状況を直視できます。
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【試験対策ポイント】
| 検査法 | VE(嚥下内視鏡) | VF(嚥下造影) |
|---|---|---|
| 知覚評価 | ✅ 可能 | ✗ 不可 |
| 声帯運動 | ✅ 可能(嚥下前) | ✅ 可能 |
| 喉頭挙上距離 | ✗ **不可**(ホワイトアウト) | ✅ **可能** |
| 嚥下反射惹起性 | ✅ 可能 | ✗ 不可 |
| 梨状陥凹貯留 | ✅ 可能 | ✅ 可能 |
| 誤嚥の有無 | △ 困難(咽頭期不明) | ✅ 最適 |
| 気管吸引時 | ✅ 直視下可 | ✗ 不可 |
**重要否定知識:**
- VEは「咽頭期の動作計測」(距離・角度・タイミング)に不向き
- 喉頭挙上は食道入口部開大に必須→距離不足=誤嚥リスク増加
- VFは「咽頭~食道の解剖学的移動」を見る検査