STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第87問

吃音第26回
吃音の中核症状はどれか。 a.声がかすれる。 b.発話速度が速い。 c.単語を繰り返す。 d.子音を引き伸ばす。 e.発話に力が入り、緊張性が高まる。 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — d.子音を引き伸ばす。/ e.発話に力が入り、緊張性が高まる。 吃音の中核症状は、発話流暢性の客観的な障害を示す「音声・音節の繰り返し」「引き伸ばし」「ブロック」と、それに伴う「身体的緊張の増加」です。dとeはともに吃音の本質的な特徴を示しており、aやbは二次的な症状または随伴症状に過ぎません。 --- 【各選択肢の解説】 a. 声がかすれる。 ❌ 誤り。声のかすれは嗄声であり、喉頭疾患(ポリープ・結節)や音声乱用に伴う症状です。吃音の本質的特徴ではなく、むしろ異なる音声障害です。 b. 発話速度が速い。 ❌ 誤り。吃音者のなかには代償的に話速を速める者もいますが、これは二次的な回避行動であり、吃音そのものの原因ではありません。吃音者全員が話速を速めるわけではありません。 c. 単語を繰り返す。 ❌ 誤り。音節や子音の繰り返しは中核症状ですが、「単語全体の繰り返し」は一般的な言語使用でもみられ、吃音の定義的特徴ではありません。吃音は部分的・不随意的な反復が特徴です。 d. 子音を引き伸ばす。 ✅ 正しい。「音の引き伸ばし(プロローゲーション)」は吃音の三大中核症状(反復・引き伸ばし・ブロック)の一つです。子音が特に引き伸ばされやすく、客観的で明白な流暢性障害を示します。 e. 発話に力が入り、緊張性が高まる。 ✅ 正しい。吃音時の「身体的緊張の増加」は中核症状です。顔面・頸部・躯幹の過度な筋肉緊張を伴い、発話がより困難になる悪循環を形成します。これは吃音の病理生理学的特徴です。 --- 【試験対策ポイント】 吃音の中核症状と二次症状の区別 | 中核症状 | 二次症状・随伴症状 | |---|---| | 音節の繰り返し | 回避行動(単語の言い換え) | | 音の引き伸ばし | 発話速度の変化 | | ブロック(無音の中断) | 声のかすれ | | 身体的緊張の増加 | 年齢進行に伴う症状悪化 | 重要:三大中核症状(Van Riper分類) - 反復:部分(音節)の不随意的反復 - 引き伸ばし:音の延長(特に子音) - ブロック:発話の中断、発語困難感 a,bが誤りとなる理由 - 声がかすれる → 吃音者のすべてがみられるわけではなく、音声障害の特徴 - 発話速度が速い → 代償戦略であり、吃音そのものではない。遅い吃音者も存在 c が誤りとなる理由 - 単語レベルの繰り返し → 言語発達途上の幼児にもみられる自然な現象であり、吃音の定義的特徴は「部分的(音節/子音)の不随意反復」 - 吃音は「話そうとする単語の最初の音」に特に現れる
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