STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第88問

吃音第26回
吃音検査法第 2 版(2016 年)に示されている吃音の進展段階で誤っているのはどれか。
  1. 1.第 1 層では吃ることに気づいている。 ✓
  2. 2.第 2 層では興奮時や速く話すときに吃音症状が出る。
  3. 3.第 3 層では解除反応、助走、延期を巧みに使う。
  4. 4.第 4 層では強い情緒性反応を示す。
  5. 5.第 4 層では語の置き換え以外の回避が加わる。

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 第1層では吃ることに気づいている。 「吃音検査法第2版」の進展段階では、第1層は「気づかない段階」です。吃っていても本人が自覚していないため、この選択肢は誤りです。第1層の特徴は「吃音症状は現れているが、話者自身が吃ることに気づいていない」です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 第1層では吃ることに気づいている。 ❌ 誤り。第1層は「吃音に気づかない段階」です。吃音症状は存在しますが、本人の自覚がありません。これが第1層と第2層を区別する最大のポイントです。 2. 第2層では興奮時や速く話すときに吃音症状が出る。 ✅ 正しい。第2層は「吃音に気づく段階」で、情動的・状況的な変動性が特徴です。興奮時・急ぐ時に症状が悪化することが典型的です。 3. 第3層では解除反応、助走、延期を巧みに使う。 ✅ 正しい。第3層は「回避・工夫を用いる段階」で、話者が積極的に解除反応(吃音を解放する技法)・助走(吃音の前に音を足す)・延期(吃音を後に延ばす)などの対処法を習得しています。 4. 第4層では強い情緒性反応を示す。 ✅ 正しい。第4層は「高度な反応段階」で、吃音に対する不安・恐怖・羞恥心などの強い情動反応が顕著になります。これが問題の悪循環を作ります。 5. 第4層では語の置き換え以外の回避が加わる。 ✅ 正しい。第4層では第3層の工夫がさらに複雑化し、語の置き換え(「父」と言えず「お父さん」に変更など)以外の多様な回避戦略(発話開始の延期、話題転換など)が加わります。 --- 【試験対策ポイント】 吃音検査法第2版(2016):4段階進展モデル | 層 | 段階名 | 主な特徴 | 気づき | 情動反応 | |---|---|---|---|---| | 第1層 | 吃音に気づかない | 症状はあるが自覚なし | なし | ほぼなし | | 第2層 | 吃音に気づく | 状況的変動性が顕著 | あり(低い) | 軽微 | | 第3層 | 回避・工夫を用いる | 解除反応・助走・延期を活用 | あり(高い) | 中程度 | | 第4層 | 高度な反応 | 強い情動反応・複雑な回避 | あり(極高) | 強い(不安・恐怖) | **頻出誤り形式:「第1層の特徴」の逆説的出題** - 第1層 = 「気づかない」が定義(「気づいている」は第2層以上) - 親や周囲が気づいても、本児が気づいていなければ第1層 - 気づきの程度が進展の分岐点になる **重要な段階的変化の流れ** - 気づき:なし → あり → より強い - 工夫の有無:なし → あり → より複雑 - 情動反応:ほぼなし → 軽微 → 中程度 → 強い **臨床的区別法** - 第1・2層:一般的なスピーチセラピーで改善可能 - 第3・4層:単なる技法習得だけでなく、心理的アプローチが必須
関連

▶ 第26回 全問一覧

▶ 吃音 の過去問一覧