STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第90問

聴覚系第26回
不可逆的な難聴をきたす薬剤はどれか。 a.アミノ配糖体系抗菌薬 b.マクロライド系抗菌薬 c.ループ利尿薬 d.抗マラリア薬 e.白金製剤 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e(アミノ配糖体系抗菌薬・白金製剤) 不可逆的(永続的)な感音難聴を引き起こす薬剤は、内耳の有毛細胞に対して不可逆的な障害をもたらすものです。アミノ配糖体系抗菌薬と白金製剤(シスプラチンなど)は、蝸牛および前庭機能に対して細胞毒性作用を持ち、ダメージが回復不能となります。これに対し、マクロライド系・ループ利尿薬・抗マラリア薬は一般に可逆的(一時的)な難聴をきたすため、不可逆的難聴を引き起こしません。 --- 【各選択肢の解説】 a. アミノ配糖体系抗菌薬 ✅ 正しい。ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシンなどは有毛細胞の細胞死を引き起こし、不可逆的な感音難聴(蝸牛障害)ならびに前庭障害(バランス障害)をもたらします。高用量・長期投与・腎機能低下時に特にリスク増加。 b. マクロライド系抗菌薬 ❌ 誤り。エリスロマイシンなどは一時的な難聴(可逆的)をきたしますが、服用中止により回復することが多く、不可逆的ではありません。ただしリスクは存在するため、長期大量投与は避ける必要があります。 c. ループ利尿薬 ❌ 誤り。フロセミド・トラセミドなどは短期間の可逆的難聴(特に高周波)をきたす可能性がありますが、薬剤中止後は改善することが特徴です。急速静脈投与時のリスクが高まります。 d. 抗マラリア薬 ❌ 誤り。キノリン系薬剤(クロロキン、キニーネなど)は可逆的な難聴や耳鳴りをきたしうることがありますが、中止により改善する傾向にあり、不可逆的ではありません。 e. 白金製剤 ✅ 正しい。シスプラチン、カルボプラチンなどは抗がん薬として用いられますが、蝸牛の有毛細胞に対して用量依存的な細胞毒性作用を持ち、不可逆的な感音難聴(通常高周波から)をもたらします。腎機能障害や利尿薬との併用でリスク増加。 --- 【試験対策ポイント】 | 薬剤カテゴリ | 難聴の性質 | 機序 | 臨床的特徴 | |---|---|---|---| | アミノ配糖体 | 不可逆的 | 有毛細胞毒性 | 高用量・長期で高リスク。前庭障害も伴う | | 白金製剤 | 不可逆的 | 有毛細胞毒性 | 用量依存的。高周波から。腎障害時増悪 | | マクロライド | 可逆的 | 機序未詳 | 中止で改善。一時的 | | ループ利尿薬 | 可逆的 | リンパ液浸透圧変化 | 急速投与で起こりやすい。中止で改善 | | 抗マラリア薬 | 可逆的 | 不明 | 高用量で起こしやすい。中止で改善傾向 | 重要否定知識:「ループ利尿薬とマクロライド系の併用」は難聴リスク増加(相加作用)だが、単独では不可逆的ではない。アミノ配糖体は「可逆的」と誤解しやす
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