STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第91問

聴覚系第26回
先天性両側性高度難聴の原因で発生頻度が高いのはどれか。
  1. 1.低出生体重
  2. 2.内耳奇形
  3. 3.先天性風疹症候群
  4. 4.GJB2 遺伝子変異 ✓
  5. 5.アッシャー症候群

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — GJB2遺伝子変異 先天性両側性高度難聴の原因のうち、発生頻度が最も高いのはGJB2遺伝子変異です。GJB2遺伝子は常染色体劣性遺伝パターンで両親からの遺伝を受けた場合に高度難聴を引き起こします。先天性難聴の約50%以上がこの遺伝子変異に起因するとされており、遺伝学的検査の最初のスクリーニング対象となります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 低出生体重 ❌ 誤り。低出生体重は先天性難聴のリスク因子の一つですが、単独では難聴の直接的な原因ではなく、他の周産期因子(低酸素状態、黄疸など)と関連します。発生頻度としては遺伝子変異より低いです。 2. 内耳奇形 ❌ 誤り。内耳奇形(例:コルチ器官形成不全、半規管奇形)は確かに高度難聴の原因となりますが、全体的な発生頻度ではGJB2遺伝子変異より低くなります。奇形の種類によっては難聴が軽度の場合もあります。 3. 先天性風疹症候群 ❌ 誤り。先天性風疹症候群は高度難聴の重要な原因の一つですが、現在はワクチン接種による予防が進み、発生頻度は大幅に低下しています。発生頻度ではGJB2遺伝子変異に及びません。 4. GJB2遺伝子変異 ✅ 正しい。コネキシン26をコードするGJB2遺伝子は先天性難聴の最大の遺伝的原因です。常染色体劣性遺伝で、両親がキャリアの場合に子どもが高度両側性難聴を呈します。遺伝子検査で診断確定でき、新生児聴覚スクリーニング後の確定診断に用いられます。 5. アッシャー症候群 ❌ 誤り。アッシャー症候群は難聴と網膜色素変性を合併する遺伝性疾患ですが、難聴を呈する症例の中での割合は約3~6%と限定的です。先天性高度難聴全体の発生頻度ではGJB2遺伝子変異より極めて低いです。 --- 【試験対策ポイント】 先天性難聴の原因統計 | 原因カテゴリ | 頻度 | 特徴 | |---|---|---| | 遺伝的原因 | 約50~60% | GJB2が最大(約30~40%) | | 非遺伝的原因 | 約20~30% | 感染症・周産期因子 | | 原因不明 | 約10~20% | 遺伝子検査で解明進行中 | GJB2遺伝子の臨床的重要性 - コネキシン26(ギャップジャンクション蛋白)をコードする遺伝子 - 常染色体劣性遺伝が主流(両親がキャリア→子が高度難聴) - 出生時から両側高度感音難聴として発症 - 前庭機能は通常保持(メニエール病との区別点) - 遺伝子カウンセリング必須 主な先天性難聴原因(非遺伝)の現状 - 先天性風疹症候群:予防可能だが予防接種率低下地域で再興のリスク - CMV感染:GJB2に次ぐ非遺伝的原因 - 低出生体重・新生児黄疸:複数の周産期因子が重複した場合にリスク増加 試験での見分け方:「発生頻度」
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