STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第92問

聴力検査第26回
純音聴力検査について誤っているのはどれか。 1.1 つの周波数について必ず 2.回以上測定する。 2.気導受話器の両耳間移行減衰量は約 50 dBである。 3.気導閾値の測定は上昇法で行う。 4.250 Hz 以下では骨導による聴覚と振動覚とを誤認しやすい。 5.オージオメータの狭帯域雑音のレベルは聴力レベルに較正されている。

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — オージオメータの狭帯域雑音のレベルは聴力レベルに較正されている。 狭帯域雑音(マスキング用)は「音圧レベル(dB SPL)」で較正されており、「聴力レベル(dB HL)」ではありません。聴力レベルで較正されているのは純音刺激であり、マスキング雑音は異なる基準で管理されます。この違いの理解が試験では重要です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 1つの周波数について必ず2回以上測定する。 ✅ 正しい。測定の信頼性を確保するため、同一周波数は最低2回測定され、差が許容範囲内(通常2〜3dB以内)であることが求められます。 2. 気導受話器の両耳間移行減衰量は約50 dBである。 ✅ 正しい。気導検査では両耳間移行減衰量が大きいため(45〜55dB程度)、片耳検査時の反対耳へのマスキング(遮蔽)が必要になります。 3. 気導閾値の測定は上昇法で行う。 ✅ 正しい。純音聴力検査では「上昇法(上げ下げ法)」を用いて、被検者の反応がある点を客観的に決定します。これにより反応域値の過小報告を防げます。 4. 250 Hz以下では骨導による聴覚と振動覚とを誤認しやすい。 ✅ 正しい。低周波数(特に125Hz以下)では、聴覚と体感振動覚の区別が困難になり、被検者が振動を「音」と感じてしまう誤認が生じやすくなります。 5. オージオメータの狭帯域雑音のレベルは聴力レベルに較正されている。 ❌ 誤り。狭帯域雑音は「音圧レベル(dB SPL)」で較正されます。純音刺激とは異なり、聴力レベル(dB HL)での較正ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 | 項目 | 気導受話器 | 骨導振動子 | |---|---|---| | 両耳間移行減衰量 | 約50dB(大きい) | 約15dB未満(小さい) | | マスキング必要性 | 必須(気導検査時) | 通常必須(特に高値時) | | 測定法 | 上昇法 | 上昇法 | キーワード: - 「聴力レベル(dB HL)」:純音・マスキング音(遮蔽音)の基準値 - 「音圧レベル(dB SPL)」:絶対的な物理量。狭帯域雑音はこれで較正 - 低周波数での振動覚誤認:125Hz以下で特に問題 - マスキングの原理:両耳間移行減衰量の大きさに依存
関連

▶ 第26回 全問一覧

▶ 聴力検査 の過去問一覧