第26回 言語聴覚士国家試験 第95問
補聴器・人工内耳第26回
人工内耳について誤っているのはどれか。
- 1.補聴器と併用できる。
- 2.小児では1歳以上が適応となる。
- 3.日本では成人の一側性難聴も保険適応となる。 ✓
- 4.電極の不具合はテレメトリー機能で確認できる。
- 5.電極を交換しなくてもサウンドプロセッサは新しい機種に交換できる。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 日本では成人の一側性難聴も保険適応となる。
日本の人工内耳の保険適応は「両側高度感音難聴」です。一側性難聴は自由診療のみとなり、保険適応ではありません。この選択肢は「成人の一側性難聴も保険適応」と述べているため誤りです。
---
【各選択肢の解説】
1. 補聴器と併用できる。
✅ 正しい。人工内耳装用者の対側耳(非装用側)に補聴器を装用することで、両耳聴覚を利用できます。これは音源定位や聴取成績の向上に有効な手段とされています。
2. 小児では1歳以上が適応となる。
✅ 正しい。日本では小児人工内耳の適応年齢は満1歳以上です。乳幼児期からの聴覚刺激は言語発達に極めて重要なため、早期植込みが推奨されています。
3. 日本では成人の一側性難聴も保険適応となる。
❌ 誤り。日本の人工内耳保険適応の基準は「両側高度感音難聴」に限定されます。成人の一側性難聴(健聴側が正常聴力)は保険適応外であり、自由診療での選択肢となります。
4. 電極の不具合はテレメトリー機能で確認できる。
✅ 正しい。人工内耳のテレメトリー機能により、体外から体内電極の電気特性(インピーダンス、刺激応答など)を測定し、電極の不具合や接触不良を確認できます。診断と故障原因特定に有用です。
5. 電極を交換しなくてもサウンドプロセッサは新しい機種に交換できる。
✅ 正しい。サウンドプロセッサは言語音処理装置であり、受信機・電極とは独立したユニットです。体内電極(インプラント本体)はそのままで、サウンドプロセッサのみを新機種に交換することは技術的に可能です。
---
【試験対策ポイント】
人工内耳の保険適応基準(日本)
| 対象 | 適応条件 |
|---|---|
| 成人 | 両側高度感音難聴・両側 |
| 小児 | 両側高度感音難聴・1歳以上 |
| 一側性難聴 | 自由診療のみ |
重要:「一側性」と「一側(両側のうち一方)」は異なる概念。一側性は「片耳のみの難聴」で適応外。
人工内耳の構成要素と交換可能性
| 構成要素 | 位置 | 交換可否 |
|---|---|---|
| 電極(受信機) | 体内(側頭骨下) | 不可(手術必要) |
| サウンドプロセッサ | 体外(耳介後部) | 可(非侵襲) |
| マイク | 体外 | 可 |
機能確認のキーワード
- インピーダンス測定:テレメトリーで可能
- 電極不具合診断:テレメトリーの主要機能
- サウンドプロセッサ交換:受信機はそのまま使用継続
頻出の誤解
「人工内耳は一側性難聴にも保険適応」→ 違う。保険は両側高度難聴のみ。