第26回 言語聴覚士国家試験 第97問
聴力検査第26回
語音聴力検査について正しいのはどれか。
a.語音弁別検査は閾値上検査である。
b.語音了解閾値検査の一桁数字は 1 を含む。
c.両側性伝音難聴ではマスキングは不要である。
d.スピーチオージオグラムの横軸は「語音明瞭度(%)」を示す。
e.67-S 語表に母音の「イ」と「エ」は含まれない。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e
語音聴力検査は語音を刺激音とする検査で、その特性を正確に理解することが重要です。正答a(語音弁別検査は閾値上検査)とe(67-S語表に母音「イ」と「エ」は含まれない)が正しく、他の選択肢は誤りです。
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【各選択肢の解説】
a. 語音弁別検査は閾値上検査である。
✅ 正しい。語音弁別検査は、被検者が音を確実に聞き取れるレベル(通常40~50dB HL)で実施され、「どの程度正しく聞き分けられるか」という正答率(%)を測定する検査です。聴力閾値そのものを測定する検査ではないため、典型的な「閾値上検査」の定義に該当します。
b. 語音了解閾値検査の一桁数字は1を含む。
❌ 誤り。語音了解閾値検査(SRT: Speech Recognition Threshold)で用いられる数字は「0, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9」の9個です。「1」は含まれません。これは検査の効率化と信頼性のために、特定の数字セットが標準化されています。
c. 両側性伝音難聴ではマスキングは不要である。
❌ 誤り。両側性伝音難聴であってもマスキングは必須です。マスキングが必要な条件は「気骨導差の存在」です。伝音難聴では気導閾値が上昇しても骨導閾値は正常(または軽度上昇)に保たれるため、気骨導差が生じ、マスキングなしでは非テスト耳の骨導音が混入する可能性があります。「両側性=不要」という誤った因果は成立しません。
d. スピーチオージオグラムの横軸は「語音明瞭度(%)」を示す。
❌ 誤り。スピーチオージオグラムの横軸は「呈示音圧レベル(dB)」、縦軸が「語音明瞭度(%)」です。選択肢は縦軸と横軸を逆に説明しており誤りです。
e. 67-S語表に母音の「イ」と「エ」は含まれない。
✅ 正しい。67-S語表は日本語の語音明瞭度検査用語表で、収録されている母音は「ア」「オ」「ウ」の3つです。「イ」と「エ」は意図的に除外されています。これは検査の標準化と信頼性を高めるための設計です。
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【試験対策ポイント】
マスキングの要否判定表:
| 条件 | マスキング必要性 |
|---|---|
| 気骨導差あり | 必須 ✓ |
| 単側性難聴 | 必須 ✓ |
| 両側性難聴 | 必須 ✓ |
| 伝導性/感音性/混合性 | 全て気骨導差があれば必須 ✓ |
| 両側対称的損失 | 気骨導差あれば必須 ✓ |
「両側性=不要」という思考は誤り。重要なのは「気骨導差の有無」
語音聴力検査の種類と特性:
| 検査名 | 測定項目 | 特性 |
|---|---|---|
| 語音了解閾値(SRT) | 閾値 | 閾値検査・数字(0,2-9) |
| 語音弁別検査 | 正答率(%) | 閾値上検査・67-S語表 |
| スピーチオージオグラム | 正答率 vs dB | 縦軸:明瞭度%、横軸:dB |
キーワード:
- 67-S語表:含む母音は