第27回 言語聴覚士国家試験 第105問
内科学第27回
非代償期肝硬変の症状でないのはどれか。
- 1.腹水
- 2.鮮血便 ✓
- 3.皮膚痰痒感
- 4.女性化乳房
- 5.くも状血管腫
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 鮮血便
非代償期肝硬変では肝機能の著しい低下により多様な全身症状が出現しますが、鮮血便は肝硬変に特異的な症状ではなく、むしろ食道・胃静脈瘤破裂による吐血や黒色便(タール便)が典型的です。鮮血便は下部消化管(直腸・肛門)の出血を示唆し、肝硬変そのものより痔などの局所疾患が原因となります。
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【各選択肢の解説】
1. 腹水
✅ 正しい。非代償期肝硬変を定義する最主要症状です。肝機能低下による血清アルブミン低下、ポルタル圧亢進、リンパ産生増加により発生します。
2. 鮮血便
❌ 誤り。肝硬変の上部消化管出血の典型は「吐血」「黒色便(タール便)」であり、食道・胃静脈瘤破裂による出血が特徴です。鮮血便は下部消化管出血(痔など)を示唆するため、肝硬変に特異的ではありません。
3. 皮膚掻痒感
✅ 正しい。肝硬変での胆汁うっ滞により胆汁酸が皮膚に沈着し、難治性の掻痒症が生じます。非代償期の典型的な症状です。
4. 女性化乳房
✅ 正しい。肝硬変での肝不全により、エストロゲンの不活化が低下し相対的にエストロゲン優位となり、女性化乳房(ジネコマスチア)が出現します。ホルモン代謝異常の顕著な現れです。
5. くも状血管腫
✅ 正しい。非代償期肝硬変での慢性肝不全により、エストロゲン濃度上昇に伴う血管新生異常で、特に顔面・胸部に多発します。肝硬変の皮膚症候の代表です。
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【試験対策ポイント】
肝硬変の出血症状の区別:
| 症状 | 原因 | 特徴 |
|---|---|---|
| 吐血・黒色便 | 食道・胃静脈瘤破裂 | ポルタル圧亢進による |
| 鮮血便 | 下部消化管出血(痔など) | 肝硬変特異的ではない |
非代償期肝硬変の主要症状:
- 腹水(門脈圧亢進+アルブミン低下)
- 皮膚掻痒感(胆汁酸沈着)
- 女性化乳房・クモ状血管腫(エストロゲン代謝異常)
- 黄疸・脳症(肝不全進行)
重要な否定知識:
鮮血便は肝硬変そのものの症状ではなく、合併症や局所疾患の表現。肝硬変の上部消化管出血は「黒色便」が典型。