第27回 言語聴覚士国家試験 第121問
聴覚系第27回
眼振の検査について誤っているのはどれか。
- 1.電気眼振計は閉眼時の眼振を記録できる。
- 2.フレンツェル眼鏡は視覚の影響を受けずに眼振を観察できる。
- 3.温度眼振検査は外側半規管を刺激し、眼振の持続時間と速度を観察する。
- 4.頭位眼振検査は仰臥位および懸垂頭位で患者の頭位を右下、左下に傾けて観察する。
- 5.頭位変換眼振検査は座位で10秒間頭部を左右に反復して振った直後の眼振を観察する。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 頭位変換眼振検査は座位で10秒間頭部を左右に反復して振った直後の眼振を観察する
頭位変換眼振検査(headshaking nystagmus検査)は、患者の頭部を高速に左右に反復振動させた**直後に出現する眼振を観察する**検査ですが、実際には患者を**仰臥位に置いた状態で行われる**ため、座位での施行は正確ではありません。また、この検査は**前庭機能の左右不対称性を検出する**ための検査であり、単に振動後の眼振を見るだけではなく、振動中の頭部位置と眼振方向の関係を評価します。
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【各選択肢の解説】
1. 電気眼振計は閉眼時の眼振を記録できる。
✅ 正しい。電気眼振計(ENG)は眼球周囲の電位差を記録する検査法であり、瞼を閉じていても眼球運動を検出・記録することができます。これがENG検査の大きな利点です。
2. フレンツェル眼鏡は視覚の影響を受けずに眼振を観察できる。
✅ 正しい。フレンツェル眼鏡は高倍率レンズ(約20倍)と内部照明を備えており、患者の外界視界を遮断しながら眼振を直接観察できます。視覚固視抑制(visual fixation suppression)を回避でき、前庭性眼振をより明確に観察できる標準的な臨床検査具です。
3. 温度眼振検査は外側半規管を刺激し、眼振の持続時間と速度を観察する。
✅ 正しい。温度眼振検査(カロリック検査)は温水(44℃)および冷水(30℃)で外耳道を刺激し、外側半規管内のリンパ液対流を誘発します。眼振の潜時・持続時間・速度(振幅および速度)を測定し、左右の半規管機能の対称性を評価します。
4. 頭位眼振検査は仰臥位および懸垂頭位で患者の頭位を右下、左下に傾けて観察する。
✅ 正しい。頭位眼振検査(positional nystagmus test)は、仰臥位で頭部を下に下ろしたり(懸垂頭位)、頭部を右下・左下に傾けたりして、位置関連性眼振を観察する検査です。良性発作性頭位眩暈症(BPPV)の検査として有用です。
5. 頭位変換眼振検査は座位で10秒間頭部を左右に反復して振った直後の眼振を観察する。
❌ 誤り。頭位変換眼振検査は**仰臥位で行われる**のが標準的です。患者を仰臥位に置き、頭部を高速に左右に反復振動させた後、眼振の出現を観察します。座位での施行では、重力の影響が異なり、検査の信頼性が低下します。また、この検査は前庭機能の不対称性を検出する検査であり、単なる「振動後の眼振観察」ではなく、より詳細な前庭機能評価が目的です。
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【試験対策ポイント】
眼振検査の方法と対象となる前庭器官の整理:
| 検査名 | 体位 | 刺激部位 | 検出目的 |
|---|---|---|---|
| 電気眼振計(ENG) | 自由(閉眼可) | — | 眼振の客観記録 |
| フレンツェル眼鏡 | 自由 | — | 視覚固視抑制での眼振観察 |
| 温度眼振検査 | 仰臥位 |