第27回 言語聴覚士国家試験 第131問
臨床心理学第27回
行動療法における不適切行動の捉え方はどれか
a.遺伝の結果
b.無意識の結果
c.誤学習の結果
d.未学習の結果
e.欲求不満の結果
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — c,d(誤学習の結果、未学習の結果)
行動療法は「行動は学習によって獲得されるもの」という学習理論に基づいています。不適切行動は「悪い行動が習慣化した誤学習」または「適切な行動がまだ身についていない未学習」として捉えられます。行動変容は新たな学習を通じて実現するという治療哲学につながります。
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【各選択肢の解説】
a.遺伝の結果
❌ 誤り。行動療法は「遺伝」を重視しません。不適切行動を遺伝的問題とみなすと、学習による変容の可能性が否定されてしまい、行動療法の根本的な治療観と矛盾します。
b.無意識の結果
❌ 誤り。無意識を重視するのは精神分析療法です。行動療法は「観察可能で測定可能な行動」に焦点を当て、無意識的プロセスを説明原理としません。
c.誤学習の結果
✅ 正しい。不適切な行動が学習によって獲得された場合を指します。例えば、子どもが駄々をこねて親から注目を得る経験が強化され、その行動が定着した場合が該当します。
d.未学習の結果
✅ 正しい。社会的スキルや適応的な行動がまだ学習されていない状態です。例えば、対人技能の欠如やコミュニケーション能力の不足なども、学習の機会が不足した結果です。
e.欲求不満の結果
❌ 誤り。欲求不満を行動の直接的原因とするのは、フラストレーション・アグレッション理論(動機理論)であり、行動療法の学習理論的枠組みではありません。
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【試験対策ポイント】
主要治療法の行動観の比較:
| 治療法 | 問題行動の捉え方 | 根拠理論 | 治療アプローチ |
|---|---|---|---|
| 行動療法 | 誤学習・未学習 | 学習理論(古典的条件付け、オペラント条件付け) | 新たな学習による行動変容 |
| 精神分析療法 | 無意識的葛藤 | 無意識理論 | 洞察の獲得 |
| 認知療法 | 認知の歪み | 認知理論 | 思考の修正 |
| 動機理論 | 欲求不満・動機の阻止 | 動機理論 | 欲求充足 |
| 遺伝的観点 | 遺伝的素因 | 生物学的理論 | 薬物療法など |
キーワード:行動療法=「学習」「観察可能な行動」「環境との相互作用」「強化」「消去」
紛らわしい選択肢の見分け方:「無意識」「遺伝」は行動療法の守備範囲外。「欲求不満」は別の理論体系。