第27回 言語聴覚士国家試験 第132問
心理測定法第27回
正しいのはどれか
- 1.アタッチメント発達の第二段階は人一般に対する定位と発信とを示す。
- 2.養育者との不安定なアタッチメントは、不利な養育環境における保護因子である。
- 3.ホスピタリズムから家庭的養育への移行の予後は、移行時の年齢が低いほど良好である ✓
- 4.3歳児神話とは、3歳ころまでに保育所などでの集団保育に参加するのが望ましいという考え方である。
- 5.アタッチメントのDタイプの子どもの養育者の特徴は、子どもに対して一 貫して拒否的なことである。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — ホスピタリズムから家庭的養育への移行の予後は、移行時の年齢が低いほど良好である
ホスピタリズム(施設発達障害)は、乳幼児期に家庭的な養育を受けずに施設で長期間過ごした場合に生じる発達遅滞や情動障害です。この状態から家庭的養育へ移行する際、移行時の年齢が低いほど可塑性が高く、脳神経系の発達余力が大きいため、予後がより良好であるとされています。
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【各選択肢の解説】
1. アタッチメント発達の第二段階は人一般に対する定位と発信とを示す。
❌ 誤り。Bowlbyのアタッチメント発達の第二段階(生後2~6週)は「人一般への定位」ですが、第三段階(生後6週~6ヶ月)こそが「人一般に対する定位と発信」を示します。第二段階で誤りです。
2. 養育者との不安定なアタッチメントは、不利な養育環境における保護因子である。
❌ 誤り。むしろ逆です。不安定なアタッチメント(特にD型)は、不利な養育環境で生じた結果であり、子どもの適応を阻害するリスク要因です。安定的なアタッチメントこそが保護因子になります。
3. ホスピタリズムから家庭的養育への移行の予後は、移行時の年齢が低いほど良好である
✅ 正しい。乳幼児期の脳は可塑性が高く、年齢が低いほど家庭的養育への適応と発達の回復が期待できます。一般に3歳以前の移行が予後に有利とされています。
4. 3歳児神話とは、3歳ころまでに保育所などでの集団保育に参加するのが望ましいという考え方である。
❌ 誤り。「3歳児神話」とは逆です。「3歳までは母親が家庭で育てるべき」という考え方を指します。保育所などの集団保育を積極的に推奨するものではありません。
5. アタッチメントのDタイプの子どもの養育者の特徴は、子どもに対して一貫して拒否的なことである。
❌ 誤り。D型(無秩序・無方向型)の親の特徴は、「一貫した行動パターンの欠如」「予測不可能」「時に虐待的」であり、単なる「一貫した拒否」ではありません。むしろ不規則で矛盾した対応が特徴です。
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【試験対策ポイント】
Bowlbyのアタッチメント発達段階
| 段階 | 時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| 第一段階 | 0~8週 | 人一般への分別のない反応 |
| 第二段階 | 2~6週 | 人一般に対する定位・発信(選択性弱い) |
| 第三段階 | 6週~6ヶ月 | 特定者への定位・発信(選択的) |
| 第四段階 | 6ヶ月~ | 特定者との関係の質的深化 |
Ainsoworthのアタッチメント分類(Strange Situation Test)
| タイプ | 親への近接希求 | 親との相互作用 | 見知らぬ人への反応 | 分離時の反応 |
|---|---|---|---|---|
| A型(回避) | 低い | 無視的 | 警戒なし | 無関心 |
| B型(安定) | 強い | 相互作用的 | 警戒あり | 喜ぶ |
| C型(抵抗) | 強いが矛盾 | アンビバレント | 強く警戒 | 激