第27回 言語聴覚士国家試験 第139問
音響学第27回
周期性のある複合音の振幅スペクトルについて誤っているのはどれか。
a.基本波成分と調波成分とで構成される。
b.調波成分は基本波成分の整数倍の周波数に存在する。
c.調波成分は最大振幅が0になる場合もある。
d.基本波成分は複合音の音色として感じる成分である。
e.調波成分は複合音の高さとして感じる成分である。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — d,e
複合音の知覚における基本波と調波の役割は逆である。基本波成分が「高さ」を決定し、調波成分が「音色」を決定する。これは音響学の最重要概念です。
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【各選択肢の解説】
a. 基本波成分と調波成分とで構成される。
✅ 正しい。周期性のある複合音は、基本周波数(基本波)とその整数倍の周波数(調波成分・倍音)から構成されます。
b. 調波成分は基本波成分の整数倍の周波数に存在する。
✅ 正しい。第1調波(基本波)、第2調波(2倍)、第3調波(3倍)のように、基本周波数の整数倍に位置します。
c. 調波成分は最大振幅が0になる場合もある。
✅ 正しい。特定の調波が存在しない(その周波数成分の振幅が0)複合音も存在します。例えば正弦波は基本波のみで調波がない(すべての調波成分が0)。
d. 基本波成分は複合音の音色として感じる成分である。
❌ 誤り。基本波成分が複合音の「高さ」を決定します。音色は調波成分の振幅比によって決定されます。これは逆です。
e. 調波成分は複合音の高さとして感じる成分である。
❌ 誤り。調波成分(倍音)は複合音の「音色」を決定します。複合音の高さは基本波(基本周波数)で知覚されます。
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【試験対策ポイント】
最重要:複合音の知覚特性
| 複合音の要素 | 知覚される属性 |
|---|---|
| 基本波成分(基本周波数) | 高さ(ピッチ) |
| 調波成分の振幅比 | 音色(音質) |
頻出の逆転出題パターン:dとeは「基本波と調波の役割を入れ替えた誤り」。この対称的な選択肢が出現したら要注意。
調波の有無と音響特性:
- 正弦波:調波なし(純音)
- のこぎり波:すべての調波を含む
- 矩形波:奇数調波のみ
- 三角波:奇数調波のみ(矩形波より調波が少ない)
倍音成分が少ない→明るい音、倍音成分が多い→濃い・深い音という相関は「試験では明示されない」ため、基本的性質に絞ること。