第27回 言語聴覚士国家試験 第153問
心理測定法第27回
各検査と目的としている機能との組合せで正しいのはどれか。
- 1.仮名拾いテスト ― 言語
- 2.MMSE ― 行為
- 3.べントン視覚記銘検査 ― 視空間認知
- 4.レイ複雑図形検査 ― 記憶 ✓
- 5.トークンテスト ― 注意
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — レイ複雜図形検査 — 記憶
レイ複雑図形検査は、複雑な図形を模写させ、その直後および遅延後に再生させることで「視空間認知」と「視覚記憶(特に遅延再生)」を評価する検査です。正答の選択肢では「記憶」が目的として挙げられており、これは遅延再生による記憶成分の評価を指しているため正しいです。
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【各選択肢の解説】
1. 仮名拾いテスト — 言語
❌ 誤り。仮名拾いテストは「注意」「集中力」を測定する検査で、ランダムに並んだ仮名の中から指定された文字を抽出させるタスクです。言語機能の評価を主目的としていません。
2. MMSE — 行為
❌ 誤り。MMSE(ミニメンタルステート検査)は認知機能全般を短時間でスクリーニングする検査で、見当識・記憶・注意・言語・視空間認知を評価します。「行為」(運動系の行為遂行能力)は測定対象ではありません。
3. べントン視覚記銘検査 — 視空間認知
❌ 誤り。べントン視覚記銘検査は複数の図形を短時間提示した直後に再生させる検査で、主に「視覚記憶」を測定します。視空間認知も評価されますが、この検査の第一義的な目的は記憶であり、「視空間認知」単独が目的ではありません。
4. レイ複雑図形検査 — 記憶
✅ 正しい。レイ複雑図形検査は複雑図形の模写(視空間構成能)と遅延再生(視覚記憶)の両者を評価できる検査で、特に記憶障害のスクリーニングと神経心理学的診断に広く用いられます。
5. トークンテスト — 注意
❌ 誤り。トークンテストは異なる大きさ・色・形のトークンに対して複雑な言語指示を理解・実行させる検査で、「言語理解」特に「受容言語」を評価します。注意の検査ではなく、失語症の診断に用いられます。
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【試験対策ポイント】
検査の主目的と評価機能の対応表:
| 検査名 | 評価する主な機能 | 補助的評価 |
|---|---|---|
| 仮名拾いテスト | 注意・集中力 | — |
| MMSE | 認知機能全般スクリーニング | 見当識・記憶・言語 |
| べントン視覚記銘検査 | 視覚記憶 | 視空間認知 |
| レイ複雑図形検査 | 視覚記憶・視空間構成 | — |
| トークンテスト | 受容言語(言語理解) | — |
重要な否定知識:
- MMSEは「行為」(ADLの実行遂行能力)を評価しない
- べントン視覚記銘検査の第一義的目的は「視空間認知」ではなく「記憶」
- トークンテストは「注意」ではなく「言語理解」が目的
紛らわしい点:
べントン(選択肢3)とレイ(選択肢4)は両者とも視空間と記憶の両要素を含むが、べントンは「複数図形の短時間提示」で主に記憶、レイは「単一複雑図形の模写と遅延再生」で記憶と構成能の両者を詳細に評価するという違いがあります。