STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第27回 言語聴覚士国家試験 第155問

失語症第27回
誤っている組合せはどれか
  1. 1.超皮質性運動失語 ― 発語失行 ✓
  2. 2.視床性失語 ― 声量低下
  3. 3.伝導失語 ― 音韻性錯書
  4. 4.意味型原発性進行性失語 ― 類音的錯読
  5. 5.ブローカ失語 ― 統語理解障害

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 超皮質性運動失語―発語失行 超皮質性運動失語は「復唱が保持される」ことが特徴ですが、発語失行は復唱も含めて言語産出全般が障害されます。この2つは神経基盤が異なる別の障害であり、同時に出現することはあっても直接的な関連性がないため、このペアリングは成立しません。 --- 【各選択肢の解説】 1. 超皮質性運動失語―発語失行 ❌ 誤り。超皮質性運動失語の特徴は「復唱の保持」であり、発語失行は別の神経障害です。両者の共存はあり得ますが、これは超皮質性運動失語に「伴う症状」というより、異なる中枢神経病変による独立した症状です。試験では「この失語タイプの本質的な特徴」として発語失行を結びつけるのは誤りとされます。 2. 視床性失語―声量低下 ✅ 正しい。視床性失語の特徴的な音声所見の1つが声量低下(音声の小ささ)です。視床はドーパミン産生に関与し、その損傷により運動駆動性が低下し、発話の努力度や音量が減じます。 3. 伝導失語―音韻性錯書 ✅ 正しい。伝導失語は「復唱が著しく障害される」ため、聴覚的に入力した音韻情報を正確に保持・再現できず、音韻性錯書(類似音への置き換え)が顕著に出現します。 4. 意味型原発性進行性失語―類音的錯読 ✅ 正しい。意味型PPAは意味記憶の進行性障害であり、音韻処理は比較的保持されます。したがって読字時には音韻ルートへの依存が相対的に増加し、類音的錯読(音が似た別の語への読み誤り)が生じやすくなります。 5. ブローカ失語―統語理解障害 ✅ 正しい。ブローカ失語の特徴として「統語処理の障害」があり、文法的な関係理解(特に複文や受動文)が低下し、統語理解障害を呈します。これは「理解は良好」というブローカ失語の定義の「例外」とされることもありますが、統語的な複雑さに対する理解低下は一般的な所見です。 --- 【試験対策ポイント】 超皮質性運動失語の本質的特徴: | 項目 | 所見 | |---|---| | 流暢性 | 非流暢(不流暢) | | 理解 | 良好 | | 復唱 | 良好(★保持される) | | 神経基盤 | 言語野の周辺領域(補足運動野周辺) | | 発語失行の有無 | あっても「伴随症状」(本質ではない) | 発語失行とのの区別: | 項目 | 発語失行 | 超皮質性運動失語 | |---|---|---| | 復唱 | 不良 | 良好 | | 自動会話(「こんにちは」等) | 障害 | 比較的保持 | | 神経基盤 | ブローカ野直下(島皮質) | ブローカ野周辺 | 各失語タイプの「音声特性」: ・視床性失語:声量低下(運動駆動性低下) ・ウェルニッケ失語:流暢だが無意味な錯語多数 ・伝導失語:流暢だが音韻性錯語(自己修正試行多い)
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