第27回 言語聴覚士国家試験 第156問
失語症第27回
誤っている組合せはどれか。
- 1.侍を「待」と書字する。 ― 形態性錯書
- 2.親友を「新タ」と書字する。 ― 類音性錯書
- 3.貝を「め」と呼称する。 ― 形式性錯語 ✓
- 4.先生を「がっこう」と呼称する。 ― 意味性錯語
- 5.ビールを「ひーる」と音読する。 ― 視覚性錯読
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 貝を「め」と呼称する。― 形式性錯語
この組合せが誤っている理由は、「貝を『め』と呼称する」という事例は「形式性錯語」ではなく「意味性錯語」だからです。形式性錯語は、音韻レベルで類似した異なる語を産出する現象ですが、本例は意味的に関連した別の語(貝→眼)を産出しており、これは意味性錯語の定義に合致します。
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【各選択肢の解説】
1. 侍を「待」と書字する。― 形態性錯書
✅ 正しい。漢字という視覚形態が類似する異なる字を書く現象は、形態性錯書の典型例です。音韻ではなく字形の類似性に基づいています。
2. 親友を「新タ」と書字する。― 類音性錯書
✅ 正しい。「親友」を「新タ」と書くのは、音は似ているが異なる漢字・仮名を用いた現象で、音韻レベルでの誤りです。類音性錯書の定義に合致します。
3. 貝を「め」と呼称する。― 形式性錯語
❌ 誤り。「貝」と「目(め)」は音韻的に類似していません。むしろ意味的に関連した誤りで、これは意味性錯語です。「貝」の特徴である「目のような二枚貝の開口部」から「目」を連想する意味的錯語です。
4. 先生を「がっこう」と呼称する。― 意味性錯語
✅ 正しい。「先生」と「学校」は関連のある概念ですが、異なる語であり、意味場内での誤りです。意味性錯語の典型例です。
5. ビールを「ひーる」と音読する。― 視覚性錯読
✅ 正しい。「ビール」を「ひーる」と読むのは、外来語の視覚的形態(カタカナ表記)から生じた音の誤りで、視覚情報の処理障害に基づいています。
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【試験対策ポイント】
錯語・錯書の分類と判別のコツ
| 錯語・錯書のタイプ | 定義 | 判別の軸 | 典型例(誤り例) |
|---|---|---|---|
| 形態性 | 字形・音韻形態が類似 | 見た目が似ている | 侍→待、親→新 |
| 形式性 | 音韻が類似した異なる語 | 「音」が似ている | 鉛筆→延筆、猫→狸 |
| 意味性 | 意味的に関連した別の語 | 「意味」が関連 | 貝→目、先生→学校 |
| 視覚性 | 視覚情報処理の誤り | 文字形態の誤読 | ビール→ひーる |
| 類音性 | 音韻的類似による誤り | 「音」が似ている | 親友→新タ |
重要な区別ポイント:
- 形式性錯語と形態性錯書は「音」「形」の違いで区別
- 意味性錯語は「意味的関連」を確認する(音や字形の類似性ではない)
- 貝→眼のように、意味的に「共通属性」や「連想」で結びついている場合は意味性と判定