STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第27回 言語聴覚士国家試験 第163問

高次脳機能障害第27回
線分二等分試験の実施において配慮すべきなのはどれか
  1. 1.右手の使用を求める。
  2. 2.用紙を患者の正中に置く。 ✓
  3. 3.10cm以下の直線を用いる。
  4. 4.患者の右空間から教示を行う。
  5. 5.首を動かさないように求める。

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 用紙を患者の正中に置く。 線分二等分試験は半側空間無視の検査であり、検査の信頼性と妥当性を確保するために用紙の位置が重要です。用紙を患者の正中線上に置くことで、患者の身体中線と用紙の位置関係を統一し、検査条件を標準化します。これにより、検査者間・検査間での結果の比較が可能になり、半側空間無視の程度を正確に把握できます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 右手の使用を求める。 ❌ 誤り。線分二等分試験では「利き手の使用」が標準的であり、右手使用に限定しません。左利きの患者に右手での実施を強制すれば、検査の有効性が失われます。 2. 用紙を患者の正中に置く。 ✅ 正しい。患者の正中線上に用紙を置くことで、身体中線と検査材料の位置関係を一定にし、半側空間無視の検出感度を高めます。これは検査の標準化に必須です。 3. 10cm以下の直線を用いる。 ❌ 誤り。標準的には「15~20cm程度の直線」を用います。過度に短いと線の分割点の誤差が相対的に大きくなり、検査精度が低下します。 4. 患者の右空間から教示を行う。 ❌ 誤り。患者の「正中から教示」するか、患者の状態に応じて対面で適切に説明します。特定の空間側からの教示は、無視の程度を過小評価する危険があります。 5. 首を動かさないように求める。 ❌ 誤り。首の動きを制限する必要はありません。むしろ自然な条件下での反応を評価することが重要です。過度な制限は検査の信頼性を損なう可能性があります。 --- 【試験対策ポイント】 線分二等分試験の標準実施条件: | 項目 | 標準条件 | |---|---| | 用紙の位置 | **患者の正中線上**(重要) | | 直線の長さ | 15~20cm | | 使用手 | 利き手 | | 頭部・視線 | 自由に動かしてよい | | 教示方法 | 患者が理解しやすい位置から | | 姿勢制限 | なし(自然な姿勢) | 半側空間無視の3つの検査法との違い: - 線分二等分試験:左空間への偏り(左半側無視が典型) - 図形模写:全体構成の無視、細部の省略 - 抹消試験:片側への見落とし 検査の本質を理解する:「検査条件を標準化する」ことが、脳損傷部位による潜在的な空間認知の偏りを顕在化させるカギ。不自然な制限は無視の本質を見えにくくしてしまう。
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