第27回 言語聴覚士国家試験 第164問
言語発達学第27回
標準的な発達で最も早くできるようになるのはどれか
- 1.物を包む。
- 2.鉛筆で落書きをする。 ✓
- 3.しりとり遊びをする。
- 4.積み木を2、3個積む。
- 5.積み木を横に2、3個並べる。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 鉛筆で落書きをする。
鉛筆で落書きをする行為は、18〜24ヶ月(1歳6ヶ月~2歳)頃に出現する初期の描画活動です。他の選択肢と比較すると、手指の操作性や認知能力の要求が最も低く、最も早期に習得される発達マイルストーンです。
---
【各選択肢の解説】
1. 物を包む。
❌ 誤り。物を包む動作には、紙やラップを対象物に巻きつけ、さらに折り込むという複雑な手指協調と操作性が必要です。これは3歳以降の微細運動能力が求められるため、落書きより遅れます。
2. 鉛筆で落書きをする。
✅ 正しい。18~24ヶ月頃から見られる動作です。握り方は палмグリップ(全手掌把持)であり、随意的にペンを動かして線を引く最初の描画活動です。これが全ての選択肢の中で最も早期に出現します。
3. しりとり遊びをする。
❌ 誤り。言語的な理解と遊びのルール理解が必要な高度な認知課題です。一般的に4~5歳以降の幼児期後期に習得される活動であり、言語発達と社会性の両面で成熟が求められます。
4. 積み木を2、3個積む。
❌ 誤り。2~3個の積み木を積み上げる行為は、重力に逆らって垂直方向に構成する動作で、2歳後半~3歳頃に見られます。落書きより6ヶ月以上遅れて出現します。
5. 積み木を横に2、3個並べる。
❌ 誤り。横に並べる動作は、物体を空間上に配置するという構成概念を要するため、落書きより複雑です。これは約2歳以降に見られ、積み上げよりも若干早い可能性がありますが、落書きより後出現です。
---
【試験対策ポイント】
微細運動発達の時系列(最重要):
18~24ヶ月
- 鉛筆で落書き(パルムグリップ)
2歳
- 積み木を横に並べる
- 積み木を2~3個積む
2歳6ヶ月以降
- より複雑な描画(円模写)
- より高い積み木構成
3歳以降
- 物を包む
- より精密な手指操作
キーポイント:
- 落書き=最初の随意的描画活動
- 積木操作=構成的思考の始まり
- 「包む」=折り込み動作を含む複雑さ
重要な区別:
「積み上げる」 vs 「並べる」
- 並べる→2歳頃(水平面への配置)
- 積む→2歳~2歳6ヶ月頃(垂直構成、難度高い)
- 落書き>両者より早期に出現