STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第27回 言語聴覚士国家試験 第165問

言語発達障害学第27回
運動障害のない早産低出生体重児の視空間認知障害に関係する部位はどれか a.脊髄 b.前頭葉 c.側頭葉 d.頭頂葉 e.後頭葉 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — d.頭頂葉、e.後頭葉 早産低出生体重児では白質障害(脳室周囲白質軟化症)が生じやすく、特に視空間認知に関わる頭頂葉と後頭葉を結ぶ連絡線維が障害されます。視空間認知は「どこにあるか」という背側視覚経路(頭頂葉)と基本的な視覚情報処理(後頭葉)の連携によって成立するため、これら2つの領域が重要です。 --- 【各選択肢の解説】 a. 脊髄 ❌ 誤り。脊髄障害は運動機能(筋力・反射・筋緊張)に関わり、視空間認知とは直接関係しません。問題は「運動障害のない」と明示しているため除外されます。 b. 前頭葉 ❌ 誤り。前頭葉は実行機能・計画・運動制御に関わりますが、視空間認知の基盤ではありません。視空間認知は主に後方領域の機能です。 c. 側頭葉 ❌ 誤り。側頭葉は「何であるか」という腹側視覚経路(物体認識)に関わります。視空間認知の「どこにあるか」という背側経路とは異なります。 d. 頭頂葉 ✅ 正しい。頭頂葉(特に後部帯状皮質や頭頂連合野)は背側視覚経路の中核で、空間的位置関係・視空間認知・視覚空間構成能力を司ります。早産児の白質障害では頭頂葉への投射線維がしばしば損傷されます。 e. 後頭葉 ✅ 正しい。後頭葉は初級視覚皮質(V1-V5)があり、視覚情報の基本的な処理を行います。視空間認知の基盤となる視覚入力はここから始まるため、後頭葉の障害は視空間認知不全につながります。 --- 【試験対策ポイント】 視覚認知の「二大経路説」 | 経路 | 部位 | 機能 | 障害時の症状 | |---|---|---|---| | 背側経路(Where) | 頭頂葉 | 空間位置・運動制御 | 視空間認知障害・オプティック・アタキシア | | 腹側経路(What) | 側頭葉 | 物体識別・顔認知 | 相貌失認・物体認知障害 | 早産低出生体重児に多い脳病変 - 脳室周囲白質軟化症(PVL):最多原因 - 脳室内出血(IVH)→水頭症 - 後嚢胞性脳軟化:頭頂葉・後頭葉に多い - 結果:視空間認知障害・学習障害・運動協調性障害 背側経路と腹側経路は独立した系統: - どちらか一方の障害でも症状は異なる - 視空間認知障害=背側経路(頭頂葉)+後頭葉 - 物体認識障害=腹側経路(側頭葉)
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