第27回 言語聴覚士国家試験 第170問
言語発達障害学第27回
知的能力障害のある子どもについて適切でないのはどれか。
- 1.適応行動や生活能力に遅れがある。
- 2.年齢が上がると毎日繰り返している活動に関連した領域の評価は高くなる。
- 3.年齢とともにIQが低下する。
- 4.幼児期は発達検査のすべての領域に遅れがみられる。
- 5.検査が一部でも実施できない場合は、その時点で中止する。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 検査が一部でも実施できない場合は、その時点で中止する。
知的能力障害のある子どもの検査実施では、一部の領域が実施できない場合でも、実施可能な領域は継続して評価することが重要です。部分的な結果であっても、子どもの能力の全体像を把握するため、可能な範囲で検査を進めることが原則です。「その時点で中止する」という絶対的な中止基準は不適切です。
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【各選択肢の解説】
1. 適応行動や生活能力に遅れがある。
✅ 正しい。知的能力障害の診断基準には、認知能力の低下に加えて、自我統制や対人関係などの適応行動領域における機能制限が含まれます。これは検査結果と同時に評価される重要な要素です。
2. 年齢が上がると毎日繰り返している活動に関連した領域の評価は高くなる。
✅ 正しい。習慣化した日常活動(トイレ、食事など)に関連する領域は、反復経験による学習効果で相対的に評価が高くなる傾向があります。これは適応行動評価の特徴です。
3. 年齢とともにIQが低下する。
✅ 正しい。知的能力障害のある子どもでは、年齢が上がるにつれて発達の遅れが相対的に大きくなり、IQが低下する傾向が認められます。これは発達曲線が同年代から乖離していくためです。
4. 幼児期は発達検査のすべての領域に遅れがみられる。
✅ 正しい。知的能力障害の幼児期では、言語・認知・運動などの発達検査のほぼすべての領域に遅れが見られるのが一般的です。特定領域のみの遅れは限局性学習障害などの鑑別が必要です。
5. 検査が一部でも実施できない場合は、その時点で中止する。
❌ 誤り。発達検査や知能検査では、困難な項目があってもすべての項目を除外する必要はなく、実施可能な領域は継続評価することが標準的です。中止基準は検査マニュアルで定められており、「一部実施不可=全中止」ではありません。
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【試験対策ポイント】
知的能力障害の子どもの検査・評価の重要ポイント:
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 認知能力 | IQで35未満(WISC-IVなど)+適応行動評価が両立して診断 |
| 発達検査の特徴 | 幼児期:全領域に遅れ。年齢↑でIQ↓傾向 |
| 適応行動評価 | 生活能力・対人関係・社会性も必須評価項目 |
| 領域による差 | 習慣化した活動の評価は相対的に高い |
| 検査実施の原則 | 一部実施不可でも可能な領域は継続→多角的評価が重要 |
紛らわしいポイント:
- 「すべての項目実施が必須」と「実施困難時の中止」の違い。中止基準は検査マニュアルで指定されており、単なる一項目の困難では中止判定にならない。