STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第27回 言語聴覚士国家試験 第180問

器質性構音障害第27回
神経とその障害によって産生が困難となる子音との組合せで正しいのはどれか
  1. 1.顔面神経 ― [m] ✓
  2. 2.三又神経 ― [k]
  3. 3.舌下神経 ― [h]
  4. 4.舌咽神経 ― [t]
  5. 5.反回神経 ― [ts]

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 顔面神経 ― [m] 顔面神経は口輪筋を支配し、両唇の閉鎖に必要です。[m]は両唇鼻音で、両唇を完全に閉じて口腔経路を遮断する必要があるため、顔面神経麻痺では産生が困難になります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 顔面神経 ― [m] ✅ 正しい。顔面神経は口輪筋を支配し、両唇の閉鎖に必要です。[m]は両唇鼻音で、顔面神経麻痺では両唇を閉じられず産生困難になります。 2. 三又神経 ― [k] ❌ 誤り。[k]は軟口蓋音で、軟口蓋の挙上に関わる神経は舌咽神経(咽頭収縮筋)と迷走神経(軟口蓋挙上筋)です。三又神経は咀嚼筋を支配し、[t][d]など歯槽音の産生に関わります。 3. 舌下神経 ― [h] ❌ 誤り。[h]は咽頭摩擦音で、声帯間の狭窄と呼気流による産生であり、特定の舌運動を必要としません。舌下神経麻痺では[l][r]など舌尖音が産生困難になります。 4. 舌咽神経 ― [t] ❌ 誤り。[t]は歯槽破裂音で、舌尖の歯槽への接触と破裂により産生され、舌尖運動を司る舌下神経の障害で産生困難になります。舌咽神経は咽頭収縮筋を支配し、軟口蓋音に関わります。 5. 反回神経 ― [ts] ❌ 誤り。[ts]は歯槽破裂摩擦音で、舌尖運動と呼気流により産生され、舌下神経麻痺で産生困難になります。反回神経は喉頭内筋(輪状甲状筋除く)を支配し、声帯運動に関わり、嗄声を生じます。 --- 【試験対策ポイント】 脳神経と構音障害の関係 | 脳神経 | 支配筋 | 障害による産生困難子音 | 得られる症状 | |---|---|---|---| | 三又神経(V) | 咀嚼筋・口蓋帆張筋 | [p][b][t][d] | 歯槽音・両唇音の障害 | | 顔面神経(VII) | 口輪筋・頬筋 | [m][p][b] | 両唇鼻音・両唇音の障害 | | 舌咽神経(IX) | 咽頭収縮筋・軟口蓋挙上筋 | [k][g][ŋ] | 軟口蓋音の障害 | | 迷走神経(X) | 軟口蓋挙上筋・喉頭筋 | [k][g][ŋ] | 軟口蓋音・開鼻声 | | 舌下神経(XII) | 舌筋 | [l][r][t][d] | 舌尖音・舌背音の障害 | | 反回神経(X分枝) | 喉頭内筋 | なし(声帯不動で嗄声) | 気息性嗄声 | 子音産生に必要な解剖学的要素 - [m]:両唇閉鎖が必須→顔面神経 - [k][g][ŋ]:軟口蓋挙上が必須→舌咽神経・迷走神経 - [t][d]:舌尖の歯槽への接触→舌下神経 - [l][r]:複雑な舌形態→舌下
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