STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第27回 言語聴覚士国家試験 第181問

器質性構音障害第27回
筋強直性ジストロフィーの構音障害のタイプはどれか。
  1. 1.運動低下性構音障害
  2. 2.運動過多性構音障害
  3. 3.痙性構音障害
  4. 4.弛緩性構音障害 ✓
  5. 5.混合性構音障害

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 弛緩性構音障害 筋強直性ジストロフィーは下位運動ニューロンの障害であり、特に球麻痺(舌・咽頭・喉頭の筋力低下)を呈するため、弛緩性構音障害を示します。この疾患では筋肉の持続的収縮(筋強直現象)と進行性の筋萎縮が特徴で、構音に関与する筋肉の著しい弱体化により気息性嗄声や開鼻声などの特徴的な音声障害が生じます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 運動低下性構音障害 ❌ 誤り。運動低下性は錐体外路系(特にパーキンソン病)の障害で、運動開始困難・加速現象・単調性などが特徴です。筋強直性ジストロフィーの神経障害部位ではありません。 2. 運動過多性構音障害 ❌ 誤り。運動過多性は錐体外路系の不随意運動(ジストニア・舞踏病等)に伴うもので、むしろ筋強直性ジストロフィーの特徴とは反対の病態です。 3. 痙性構音障害 ❌ 誤り。痙性は両側錐体路障害(偽性球麻痺など)の場合で、筋緊張の亢進を伴います。筋強直性ジストロフィーは錐体路の障害ではなく、末梢筋の障害です。 4. 弛緩性構音障害 ✅ 正しい。筋強直性ジストロフィーは下位運動ニューロン(末梢神経と筋肉)の障害であり、球麻痺を呈します。筋力低下により開鼻声・気息性嗄声・調音障害が生じます。 5. 混合性構音障害 ❌ 誤り。混合性(弛緩性+痙性)はALSなど上位と下位の運動ニューロンの両方が障害される場合です。筋強直性ジストロフィーは下位運動ニューロンのみの障害です。 --- 【試験対策ポイント】 構音障害の分類(Mayo分類)と原疾患 | 構音障害タイプ | 障害部位 | 代表疾患 | 特徴的な音声 | |---|---|---|---| | 弛緩性 | 下位運動ニューロン(末梢神経・筋肉) | 球麻痺・筋強直性ジストロフィー・進行性核上麻痺 | 開鼻声・気息性嗄声 | | 痙性 | 両側錐体路 | 脳性麻痺(痙性型)・多発性硬化症 | 努力性嗄声 | | 失調性 | 小脳 | 脊髄小脳変性症 | スキャニングスピーチ・断綴性発話 | | 運動低下性 | 錐体外路 | パーキンソン病 | 単調・加速現象 | | 運動過多性 | 錐体外路 | ジストニア・舞踏病 | 不規則で予測不能 | | 混合性 | 上位+下位運動ニューロン | ALS・外傷性脳損傷 | 複数の特徴が混在 | 筋強直性ジストロフィーの臨床的ポイント - 遺伝形式:常染色体優性遺伝(CTG反復配列拡大) - 筋障害の特徴:筋強直現象(握った後に指が開きにくい) - 球麻痺の有無:あり(下位運動ニューロン障害) - 嚥下障害:あり(咽頭期の障害を呈する) - 構音障
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