第27回 言語聴覚士国家試験 第183問
運動障害性構音障害第27回
加齢変化でないのはどれか。
- 1.声帯の萎縮
- 2.甲状軟骨の骨化
- 3.喉頭の知覚低下
- 4.声門開大の不良 ✓
- 5.喉頭挙上距離の減少
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 声門開大の不良
声門開大の不良(声帯の外転機能低下)は加齢に伴う典型的な変化ではなく、むしろ神経学的障害(反回神経麻痺など)による病的状態です。加齢では声帯の内転機能が相対的に保持される傾向があります。一方、選択肢1〜3・5は全て加齢に伴う喉頭構造・機能の変化です。
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【各選択肢の解説】
1. 声帯の萎縮
✅ 正しい。加齢に伴い声帯筋(甲状披裂筋など)の筋量が減少し、声帯は委縮・変性します。これが老人声(老化嗄声)の主要因です。
2. 甲状軟骨の骨化
✅ 正しい。加齢とともに甲状軟骨は軟骨から骨へ骨化が進行します。この変化により喉頭の可動性が制限されます。
3. 喉頭の知覚低下
✅ 正しい。高齢者では上喉頭神経内枝の感覚低下が生じ、喉頭知覚が鈍化します。誤嚥リスク増加の一因です。
4. 声門開大の不良
❌ 誤り(加齢変化ではない)。声門開大不全は一側性反回神経麻痺による病的状態です。加齢では一般的に起こりません。むしろ高齢者では声門閉鎖不全が問題になりやすいです。
5. 喉頭挙上距離の減少
✅ 正しい。加齢に伴い舌骨上筋群の萎縮・筋力低下が生じ、喉頭の挙上距離が減少します。嚥下機能低下の要因です。
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【試験対策ポイント】
加齢に伴う喉頭変化(5つの典型的所見)
| 変化部位 | 加齢に伴う変化 | 結果 |
|---|---|---|
| 声帯 | 筋量減少・萎縮・弾性低下 | 老化嗄声・音量低下 |
| 甲状軟骨 | 軟骨→骨への骨化進行 | 喉頭可動性制限 |
| 喉頭知覚 | 上喉頭神経内枝感覚低下 | 誤嚥リスク増加 |
| 喉頭挙上 | 舌骨上筋群の萎縮 | 挙上距離減少・嚥下困難 |
| 声門閉鎖 | 相対的に不全傾向 | 気息性嗄声・漏気音 |
病的状態との区別
- 声門開大不全(選択肢4)→ 反回神経麻痺(神経障害)
- 声門閉鎖不全 → 加齢による自然な変化
- 紛らわしい点:「開大」「閉鎖」の用語に注意。「開大不全=外転障害」は病的、「閉鎖不全=内転不全」は加齢変化
頻出誤答パターン
選択肢4と5の区別が困難になりやすい。
- 5番(喉頭挙上距離減少)= 加齢で全員に起こる筋力低下
- 4番(声門開大不良)= 片側神経麻痺など特定の病態