第27回 言語聴覚士国家試験 第184問
嚥下障害第27回
嚥下障害を疑うべき所見として適切でないのはどれか
- 1.咳の増加
- 2.湿性嗄声
- 3.体重減少
- 4.食事時間の延長
- 5.液体摂取量の増加 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 液体摂取量の増加
嚥下障害患者では、液体を飲むことが困難になるため、むしろ液体摂取量は「減少」します。液体は固形物より誤嚥しやすく、患者自身が摂取を避けるようになるため、液体摂取量の増加は嚥下障害の所見として不適切です。
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【各選択肢の解説】
1. 咳の増加
✅ 正しい。嚥下障害により誤嚥が起こると、気道内に異物が侵入し、反射的に咳が増加します。特に食事中・食事直後の咳は誤嚥の重要な警告サインです。
2. 湿性嗄声
✅ 正しい。嚥下障害による誤嚥で、唾液や食物が気管に流入すると、声帯周辺に液体が付着し「ゴロゴロ」とした湿った声が生じます。これは誤嚥の古典的所見です。
3. 体重減少
✅ 正しい。嚥下障害により食事摂取量が低下し、栄養不良に至るため体重が減少します。特に進行性の嚥下障害では顕著な体重減少が見られます。
4. 食事時間の延長
✅ 正しい。嚥下機能低下患者は、安全に食べ物を飲み込むのに時間がかかるため、一食にかかる時間が著しく延長します。これは代償戦略(ゆっくり食べる)でもあります。
5. 液体摂取量の増加
❌ 誤り。嚥下障害患者では液体(特に水)は誤嚥しやすいため、むしろ自発的に液体摂取量を減らします。医学的には「液体制限」が推奨される場合があり、増加は嚥下障害の所見ではありません。
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【試験対策ポイント】
嚥下障害の臨床症状(スクリーニング指標)
| 症状 | 意味 | 嚥下障害で起こるか |
|---|---|---|
| 咳の増加 | 気道侵入→反射 | ✅ はい |
| 湿性嗄声 | 気管内液体付着 | ✅ はい |
| 体重減少 | 摂取不足 | ✅ はい |
| 食事時間延長 | 嚥下困難 | ✅ はい |
| 液体摂取量増加 | 液体は避ける | ❌ いいえ |
キーワード:「液体は誤嚥しやすい」→嚥下障害患者は水を怖がる
紛らわしい点:一見「水分摂取が増える」と思いがちですが、実際には「水分摂取が困難」になるのが嚥下障害の特徴です。むしろ脱水の危険性があります。