第27回 言語聴覚士国家試験 第185問
嚥下障害第27回
睡眠中の唾液誤嚥を検出できるのはどれか。
- 1.超音波検査
- 2.嚥下圧検査
- 3.シンチグラフィ ✓
- 4.嚥下造影検査
- 5.嚥下内視鏡検査
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — シンチグラフィ
シンチグラフィは放射性同位元素を標識した唾液(または検査食)を用いて、誤嚥がどこへ移行するかを追跡できる唯一の検査です。睡眠中という受動的な状況では、患者の意識や協力が不要なため、この時間帯の誤嚥検出に最適です。他の検査は検査時の意識状態や嚥下動作が前提となるため、睡眠中の誤嚥捕捉には適していません。
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【各選択肢の解説】
1. 超音波検査
❌ 誤り。超音波検査は舌骨や喉頭の動きなど構造的な移動を可視化できますが、気道への唾液流入を直接的に検出できません。また睡眠中は検査自体が困難です。
2. 嚥下圧検査
❌ 誤り。嚥下圧検査はマノメトリー検査で、嚥下時の咽頭圧や食道圧を測定する検査です。誤嚥の有無を検出できず、また睡眠中の無意識嚥下時に圧変化の解釈も困難です。
3. シンチグラフィ
✅ 正しい。放射性同位元素(例:Tc-99m)を標識した物質が気道へ移行した場合、肺野での放射能を検出できます。睡眠中でも自動的に記録され、誤嚥の有無と移行先(気管分岐部より遠位か近位か)を客観的に判定できる唯一の手段です。
4. 嚥下造影検査(VF)
❌ 誤り。嚥下造影検査は患者の覚醒と協力が前提であり、睡眠中の検査は実施不可です。また「検査中」の嚥下動作のみ撮影できるため、睡眠中の無意識嚥下は対象外です。
5. 嚥下内視鏡検査(VE)
❌ 誤り。嚥下内視鏡検査も睡眠中の実施は不可能です。また嚥下反射時のホワイトアウト時間帯は評価困難であり、無意識状態での誤嚥検出には適していません。
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【試験対策ポイント】
各嚥下検査の適応と制限:
| 検査名 | 睡眠中実施 | 誤嚥検出 | 動画記録 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| シンチグラフィ | ◎可能 | ◎可能 | ○(画像記録) | 放射性物質追跡→気道への流入を客観検出 |
| 嚥下造影検査 | ❌不可 | ◎可能 | ◎動画 | 覚醒・協力が必須 |
| 嚥下内視鏡検査 | ❌不可 | ◎可能 | ◎動画 | 挿入による刺激で無意識嚥下は誘発困難 |
| 超音波検査 | ❌不可 | ❌困難 | 〜 | 構造の移動のみ |
| 嚥下圧検査 | ◎可能 | ❌不可 | 〜 | 圧変化のみ測定 |
重要な否定知識:
- シンチグラフィ=「誤嚥の有無」「移行先」の両方を検出できる唯一の検査
- 睡眠中の評価が必要な場合=シンチグラフィが選択肢
- VFとVEは「検査時の覚醒状態」が前提(認知的負荷がある)