第27回 言語聴覚士国家試験 第186問
嚥下障害第27回
発語の際に出現する吃音の随伴症状はどれか。
- 1.手足を振る。 ✓
- 2.平静を装う。
- 3.視線を合わす。
- 4.顔を赤らめる。
- 5.ジェスチャーを使う。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 手足を振る。
吃音の随伴症状(associated symptoms)とは、話そうとする時に出現する努力的な行動で、対話者から注目を避けたり、言語産出を促進しようとしたりする身体的または行動的な反応です。手足を振る・頭を振る・まばたきなどの身体運動は典型的な随伴症状であり、言語流暢性の問題に対する二次的な対処行動として機能しています。
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【各選択肢の解説】
1. 手足を振る。
✅ 正しい。吃音時に頻繁に観察される典型的な随伴症状です。言語産出の困難を回避・補償しようとする努力的な身体運動で、リズム感を保ったり心理的緊張を解消したりする機能があります。吃音児だけでなく成人吃音者にも見られます。
2. 平静を装う。
❌ 誤り。これは「回避行動」あるいは「感情的対処」に分類され、吃音の随伴症状そのものではなく、吃音を隠そうとする心理的戦略です。身体的な随伴症状ではありません。
3. 視線を合わす。
❌ 誤り。むしろ吃音者は対話者との視線接触を「避ける」傾向が強く、視線を合わすことは減少します。これは吃音への恥意識や不安から生じる回避行動であり、随伴症状ではありません。
4. 顔を赤らめる。
❌ 誤り。顔面の充血は自律神経反応(交感神経活動亢進)による結果であり、吃音時の努力的な随伴症状ではなく、羞恥心や不安に伴う情動反応です。随伴症状とは区別されます。
5. ジェスチャーを使う。
❌ 誤り。ジェスチャーは代替コミュニケーション手段で、吃音回避戦略の一つですが、吃音発話時に同時に出現する身体的随伴症状ではありません。計画的な補償行動に該当します。
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【試験対策ポイント】
随伴症状(Associated Symptoms)の定義と具体例:
概念|随伴症状とは、吃音発話時に「同時に出現」する不随意的な身体運動・行動
具体例|手足・頭の運動、まばたき、顔のしかめ、頸部の緊張、唇の異常運動
対比|
| 分類 | 例 | 性質 |
|---|---|---|
| 随伴症状 | 手足を振る、まばたき増加 | 発話時に同時出現する身体運動 |
| 回避行動 | 沈黙、単語置換、話題転換 | 吃音を予測して実行する戦略的行動 |
| 秒発行動 | 頭叩き、唇押圧 | 吃音「後」に出現する行動 |
| 情動反応 | 顔の充血、羞恥心 | 吃音に伴う感情的反応 |
発達段階との関連|幼児期の吃音:随伴症状少ない(第1段階)→成人期:随伴症状が固定化・複雑化(第3~4段階)
治療アプローチ|随伴症状を含む「吃音行動全体」の改善が必要(言語治療+心理的介入)