第27回 言語聴覚士国家試験 第187問
吃音第27回
吃音の直接的訓練でないのはどれか
a.行動実験
b.統合訓練
c.流暢性形成訓練
d.リッカムプログラム
e.メンタルリハーサル法
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e(行動実験、メンタルリハーサル法)
吃音の「直接的訓練」とは、吃音症状そのものを改善するために音声・発話器官に直接働きかける訓練を指します。行動実験とメンタルリハーサル法は認知的・心理的介入であり、発話の流暢性向上や症状改善を直接の目的とするものではなく、心理的側面(不安軽減・認知変容)に焦点を当てた間接的訓練です。
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【各選択肢の解説】
a. 行動実験
❌ 誤り(直接的訓練ではない)。行動実験は認知行動療法の一手法で、吃音に対する恐怖・回避行動を減らすために「実際に吃音をさらしてみる」という心理的介入です。発話の流暢性そのものを改善するものではなく、不安軽減を目的とした間接的訓練です。
b. 統合訓練
✅ 正しい(直接的訓練に含まれる)。統合訓練は複数の直接的訓練技法(例:緩徐音声、リズム運動、呼吸コントロール)を組み合わせて、吃音の症状改善を直接的に目指すものであり、言語音声の改善に直結します。
c. 流暢性形成訓練
✅ 正しい(直接的訓練に含まれる)。流暢性形成訓練は、緩やかな開始、軽い接触、ゆっくりした速度など、流暢な発話パターンを形成することで、直接的に吃音症状を改善する訓練です。音声・発話器官への直接的操作です。
d. リッカムプログラム
✅ 正しい(直接的訓練に含まれる)。リッカムプログラムはオーストラリアで開発された吃音治療法で、親訓練を中心として、回避行動の減少と流暢性の形成に直接的に取り組む介入手法です。症状改善が直接目的です。
e. メンタルリハーサル法
❌ 誤り(直接的訓練ではない)。メンタルリハーサル法は、困難な場面での発話を心理的に予行演習する認知的介入手法で、実際の発話流暢性改善を直接的に目指すものではなく、心理的準備・イメージ療法に分類されます。
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【試験対策ポイント】
吃音訓練の分類:直接的 vs 間接的
| 分類 | 焦点 | 代表的手法 | 該当選択肢 |
|---|---|---|---|
| 直接的訓練 | 発話・音声器官 | 流暢性形成、統合訓練、リッカムプログラム | b,c,d |
| 間接的訓練 | 心理・認知・情動 | 行動実験、メンタルリハーサル、認知行動療法 | a,e |
キーワード:
- 行動実験:恐怖・回避行動への心理的介入(不安軽減が目的)
- メンタルリハーサル法:イメージ訓練・予行演習(心理準備が目的)
- 流暢性形成訓練:発話パターンの直接修正(症状改善が直接目的)
- リッカムプログラム:親訓練による行動変容(症状改善が直接目的)
頻出陥阱:「認知行動療法は吃音に有効」「心理的介入も訓練である」という知識で、a・eを直接的訓練だと誤認しやすい。しかし試験文脈での「直接的訓練」は、発話の音響・運動学的改善を直接的に狙うものを指す。