第27回 言語聴覚士国家試験 第192問
聴力検査第27回
対人コミュニケーションの発達に遅れのない学童難聴児に適切な指導はど れか。
a.説明文の要約
b.ことわざの理解
c.写真の表情理解
d.状況に基づく感情理解
e.物語文における著者視点の理解
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,b,e
対人コミュニケーション発達に遅れのない学童難聴児は、基本的な対人認知・共感能力は健聴児と同等です。そのため指導は「言語・認知的な複雑さ」に焦点を当てるべきであり、説明文要約・ことわざ理解・著者視点といった高次言語機能の育成が適切です。一方、表情理解や感情理解は対人認知スキルに該当し、発達遅れがなければ補強指導の対象外です。
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【各選択肢の解説】
a. 説明文の要約
✅ 正しい。説明文の要約は高次言語機能であり、聴覚情報の制限下での言語処理能力を高める直接的な指導です。難聴児が書き言葉や複雑な論理構造を理解するために必要な学習内容です。
b. ことわざの理解
✅ 正しい。ことわざは慣用句的な複雑な言語使用であり、聴覚経験が限定的な難聴児にとって理解が困難です。明示的な指導を通じた語彙・表現拡大は学童難聴児に適切です。
c. 写真の表情理解
❌ 誤り。対人コミュニケーション発達に遅れがない場合、表情認知・解読スキルは既に年齢相応に発達しています。困難さの原因が「聴覚情報の欠如」ではなく「対人認知能力不足」ではないため、指導対象ではありません。
d. 状況に基づく感情理解
❌ 誤り。状況から相手の感情を推測する能力は、対人社会的認知に該当します。発達に遅れがないということは既に習得済みであり、補強指導は不要です。聴覚障害そのものではなく、高次の認知スキル指導に重点を置くべきです。
e. 物語文における著者視点の理解
✅ 正しい。著者視点の理解は複雑な読解スキル(推論・メタ認知)であり、聴覚情報の限定下で書き言葉を処理する学童難聴児に必要な指導内容です。言語能力の向上に直結します。
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【試験対策ポイント】
学童難聴児の指導対象:「対人認知スキルの有無」で判断
| 発達領域 | 遅れなし | 対象外 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 表情認知 | ○ | 指導不要 | 対人認知スキル(非言語) |
| 感情推測 | ○ | 指導不要 | 社会的認知能力 |
| 語彙理解(文化的表現) | × | 指導対象 | 聴覚経験の結果 |
| 読解スキル | × | 指導対象 | 言語処理能力 |
| 論理展開理解 | × | 指導対象 | 複雑言語処理 |
キーワード:
- 「対人コミュニケーション発達に遅れなし」=表情・感情理解は健聴児並み
- 指導対象は「言語的・認知的複雑さ」に限定
- a(要約):情報処理スキル
- b(ことわざ):文化的言語慣用
- e(著者視点):メタ認知・推論能力