第27回 言語聴覚士国家試験 第195問
補聴器・人工内耳第27回
耳管開放症に関係ないのはどれか。
- 1.耳漏 ✓
- 2.妊娠
- 3.鼻すすり
- 4.自声強聴
- 5.急激な体重減少
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 耳漏
耳管開放症は耳管が常時開放されている状態であり、中耳が外界と直結しているため、外部からの液体や感染物が直接中耳に流入することはほぼない。したがって「耳漏(中耳からの液体排出)」は耳管開放症の特徴的な症状ではなく、むしろ開放症には伴いにくい。一方、2〜5は全て耳管開放症の発症因子または症状である。
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【各選択肢の解説】
1. 耳漏
❌ 誤り。耳管開放症では中耳腔が外界に開放されているため、通常は耳漏が生じない。耳漏は逆に「耳管閉塞症」や「中耳炎」の特徴である。問題文で「関係ないのはどれか」と聞いているため、これが正答。
2. 妊娠
✅ 関係あり。妊娠に伴う女性ホルモンの変化が耳管周囲の粘膜を浮腫させ、耳管開放症を引き起こす有名な発症因子。妊娠中の患者に耳管開放症が新規発症することは臨床上よくある。
3. 鼻すすり
✅ 関係あり。鼻すすりは鼻咽腔の圧力を陰圧にし、耳管の開閉を促す。耳管開放症患者では、この動作により耳管がさらに開きやすくなり、症状が増悪する。患者教育では「鼻すすりを避ける」ことが指導される。
4. 自声強聴
✅ 関係あり。耳管開放症の典型的な症状。耳管が開放されているため、自分の声が通常より大きく聞こえ、自分の咀嚼音なども増強される。これは患者が最も訴える主症状の一つ。
5. 急激な体重減少
✅ 関係あり。体重低下に伴い、耳管周囲の脂肪組織が減少し、耳管の支持性が低下する。結果として耳管が開放されやすくなり、耳管開放症の発症因子となる。特に過度なダイエットでの発症報告がある。
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【試験対策ポイント】
耳管開放症の発症因子・症状・経過
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| **定義** | 耳管が常時開放状態→中耳が外界と直結 |
| **発症因子** | 妊娠 / 体重低下 / 加齢 / ステロイド使用 |
| **主症状** | 自声強聴・耳閉塞感・めまい(耳管が常に開いているため気圧変化に対応困難) |
| **副症状** | 自分の咀嚼音の増強 / 呼吸音の耳内聴 |
| **増悪因子** | 鼻すすり / 前傾姿勢 / 頭部側屈 |
| **医学的本質** | **耳漏は生じない**(外界と開放のため、むしろ中耳は乾燥) |
| **治療** | 体重増加 / 耳栓 / 耳管機能検査 / 重症例は手術(耳管プラグ挿入) |
キーワード:「開放=外界直結=耳漏なし」「妊娠・体重低下・鼻すすりで悪化」