第27回 言語聴覚士国家試験 第199問
補聴器・人工内耳第27回
人工内耳について誤っているのはどれか。
- 1.電極で聴神経を刺激する。
- 2.入力音声は体外部でコード化される。
- 3.蝸牛奇形に対する手術は禁忌である。 ✓
- 4.音のラウドネスは刺激する電荷量で調整する。
- 5.神経反応テレメトリーで聴神経の活動性を確認する。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 蝸牛奇形に対する手術は禁忌である。
蝸牛奇形は人工内耳の対象外ではなく、むしろ代表的な適応症の一つです。蝸牛奇形患者でも、奇形の程度や形態に応じて手術が施行され、良好な成果が報告されています。蝸牛奇形(特にMondini奇形など)は先天性難聴の主要な原因であり、人工内耳による補聴の重要な対象疾患です。
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【各選択肢の解説】
1. 電極で聴神経を刺激する。
✅ 正しい。人工内耳の最も基本的な仕組みです。蝸牛内に挿入された電極アレイが聴神経を直接電気刺激することで聴覚情報を脳に伝えます。
2. 入力音声は体外部でコード化される。
✅ 正しい。体外装置(音声プロセッサ)で音声信号をデジタルコード化した後、体内装置に送信されます。この処理によって複雑な音情報が電気刺激パターンに変換されます。
3. 蝸牛奇形に対する手術は禁忌である。
❌ 誤り。蝸牛奇形は人工内耳の重要な適応症です。Mondini奇形・共通腔奇形・不完全分割奇形など、多くの蝸牛奇形患者が人工内耳の恩恵を受けています。奇形の形態学的評価により個別に対応が判断されます。
4. 音のラウドネスは刺激する電荷量で調整する。
✅ 正しい。電荷量(刺激の強度)を増加させるとラウドネス(音の大きさ知覚)が増加します。人工内耳の音量調整の基本原理です。
5. 神経反応テレメトリーで聴神経の活動性を確認する。
✅ 正しい。神経反応テレメトリー(Neural Response Telemetry:NRT)は、体外装置から刺激を与えた際に聴神経から返ってくる活動電位を体外で検出し、聴神経応答を客観的に評価する技術です。
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【試験対策ポイント】
人工内耳の適応・禁忌
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 適応症 | 高度~全難聴、両側、補聴器で不十分な効果 |
| 先天性難聴の対象 | 蝸牛奇形(Mondini・不完全分割など)★重要 |
| | 前庭水管拡大症(LVAS) |
| | 先天性CMV感染による難聴 |
| 後天性難聴 | 中途失聴(人工内耳の主要適応) |
| 禁忌 | 両側聴神経の欠損 |
| | 聴神経腫瘍による両側聴神経消失 |
| | 蝸牛の完全骨化 |
人工内耳の基本構成と機能
| 構成 | 機能 |
|---|---|
| 体外装置 | 音声収集→コード化→送信 |
| 体内装置 | 信号受信→電極列駆動 |
| 電極アレイ | 聴神経を周波数別に刺激 |
キーワード:蝸牛奇形は「禁忌」ではなく「重要な適応症」