第27回 言語聴覚士国家試験 第33問
生涯発達心理学第27回
循環反応はどれか。
- 1.うつ伏せから座位への姿勢変換を行う
- 2.シーツの上にあるおもちゃを取るために、シーツを引っ張ってたぐり寄せる
- 3.転がって物陰に隠れたボールがそこにあることがわかり取ろうとする
- 4.大きな音に対して手足の力を入れる
- 5.ガラガラを持った手を動かして音を何度も鳴らす ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — ガラガラを持った手を動かして音を何度も鳴らす
循環反応は、Piaget の認知発達理論における感覚運動期(0~2歳)の特徴的な行動パターンです。偶然起きた行為の結果(音)が興味深いため、それを繰り返そうとする一次的~二次的循環反応に相当します。選択肢5は、音が鳴るという面白い結果を再び得るために同じ動作を何度も繰り返す典型的な循環反応です。
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【各選択肢の解説】
1. うつ伏せから座位への姿勢変換を行う
❌ 誤り。これは運動発達(粗大運動)の領域です。循環反応は「同じ結果を繰り返そうとする行動パターン」であり、単なる姿勢変換は該当しません。
2. シーツの上にあるおもちゃを取るために、シーツを引っ張ってたぐり寄せる
❌ 誤り。これは「手段と目的の分化」を示す目的的行動であり、感覚運動期後期(8~12ヶ月以降)の行動です。循環反応よりも高度な認知水準を示しています。
3. 転がって物陰に隠れたボールがそこにあることがわかり取ろうとする
❌ 誤り。これは「対象の永続性(物体永続性)」の獲得を示す行動であり、感覚運動期後期(9~12ヶ月以降)の発達段階です。循環反応ではなく、認知能力の発展を示しています。
4. 大きな音に対して手足の力を入れる
❌ 誤り。これは反射的な反応(Moro反射など)であり、循環反応ではありません。循環反応は「同じ結果を意図的に何度も繰り返す」という特徴が必須です。
5. ガラガラを持った手を動かして音を何度も鳴らす
✅ 正しい。これは偶然に音が鳴った結果を何度も再現しようとする二次的循環反応です。4~8ヶ月頃に見られ、感覚運動期の典型的な学習パターンです。
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【試験対策ポイント】
循環反応の3段階(Piaget)
| 段階 | 時期 | 特徴 | 例 |
|---|---|---|---|
| 一次的循環反応 | 1~4ヶ月 | 自分の身体への作用を繰り返す | 指しゃぶり・足を蹴る |
| 二次的循環反応 | 4~8ヶ月 | 外部環境への作用を繰り返す | ガラガラの音を何度も鳴らす |
| 三次的循環反応 | 12~18ヶ月 | 新しい結果を求めて変化させながら繰り返す | 異なるおもちゃを落とす・叩く |
循環反応の本質:「偶然の発見→その再現→繰り返し」
- 必須要素:同じ行為を「意図的に」「何度も」繰り返す
- 対象の永続性や手段・目的の分化は循環反応ではない
- 反射的な動きや単なる運動発達と混同しやすい
紛らわしい選択肢の区別
- 選択肢2・3:「目的的行動」=循環反応より発達段階が進んでいる
- 選択肢4:「反射的応答」=意図的な繰り返しがない
- 選択肢1:「運動発達」=認知的な学習パターンではない