STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第27回 言語聴覚士国家試験 第34問

生涯発達心理学第27回
正しい組み合わせはどれか。
  1. 1.Havighurst,R ― 漸成説
  2. 2.Baron-Cohen,S. ― 道徳性
  3. 3.Bruner,J. ― 足場かけ ✓
  4. 4.Kohlberg,L. ― 発達診断
  5. 5.Piaget,J. ― 発達の最近接領域

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — Bruner,J. — 足場かけ Bruner(ブルーナー)は、子どもの学習を支援するための「足場かけ(スキャフォールディング)」という概念を提唱した発達心理学者です。足場かけは、子どもが課題を解決する際に、大人が適切なレベルのサポートを段階的に減らしていく教育支援技法として、ST領域の認知・言語発達支援でも重要な概念です。 --- 【各選択肢の解説】 1. Havighurst,R — 漸成説 ❌ 誤り。Havighurst(ハビガースト)は「発達課題」を提唱した心理学者で、人生の各段階で達成すべき課題を定義しました。「漸成説」はErikson,E.が提唱した考え方であり、Havighurstのものではありません。 2. Baron-Cohen,S. — 道徳性 ❌ 誤り。Baron-Cohen(バロン=コーエン)は自閉症スペクトラム障害の研究者で、「心の理論」の発達障害を提唱しました。「道徳性」はKohlberg(コールバーグ)の領域です。 3. Bruner,J. — 足場かけ ✅ 正しい。Bruner(ブルーナー)は足場かけ(スキャフォールディング)の概念を提唱した認知発達理論家です。子どもの学習支援において、大人が適切なレベルのサポートを提供し、段階的に減らしていくことが重要とされています。 4. Kohlberg,L. — 発達診断 ❌ 誤り。Kohlberg(コールバーグ)は「道徳性の発達段階」(前慣例的→慣例的→脱慣例的)を提唱した道徳心理学者です。「発達診断」は発達検査一般を指すため、特定の研究者と結びつきません。 5. Piaget,J. — 発達の最近接領域 ❌ 誤り。「発達の最近接領域」はVygotsky(ヴィゴツキー)が提唱した概念で、子どもが独力では解決できないが、大人の助言により解決できる領域を指します。Piaget(ピアジェ)は「認知発達段階説」の提唱者です。 --- 【試験対策ポイント】 発達心理学の主要理論家と業績(混同しやすい順): | 理論家 | 主要業績 | 誤りやすいポイント | |---|---|---| | Piaget | 認知発達4段階(感覚運動期→前操作期→具体的操作期→形式的操作期) | 「最近接領域」はVygotsky。「足場かけ」はBruner | | Vygotsky | 発達の最近接領域・社会文化的構成主義 | Piagetと混同しやすい | | Bruner | 足場かけ・スパイラルカリキュラム・表象の3段階 | 足場かけはBruner唯一の業績ではない点に注意 | | Erikson | 心理社会的発達8段階(幼年期→児童期→青年期など) | Havighurstと混同しやすい | | Havighurst | 発達課題(各段階で達成すべき課題) | Eriksonとの境界を引きにくい | | Kohlberg | 道徳性発達段階(前慣例→慣例→脱慣例) | 3段階×2レベル計6段階 | | Baron-Cohen | 心の理論・自閉症スペクトラム研究 | ST国試では出現頻度が低い | キーワード整理: - 「足場かけ」→必ずBruner - 「最近接領域」→必ずVygotsky - 「道徳性段階」→必ずKohlberg - 「発達課題」
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