第27回 言語聴覚士国家試験 第35問
生涯発達心理学第27回
小さいときに周囲に示された将来の目標を、疑問を持たずに受け入れている自我同一性地位はどれか。
- 1.早期完了 ✓
- 2.同一性達成
- 3.モラトリアム
- 4.危機を経験した同一性拡散
- 5.危機を経験していない同一性拡散
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 早期完了
Eriksonの自我同一性発達理論を基盤としたMarcia(マルシア)の「自我同一性地位」では、早期完了は周囲の期待や目標を自分で吟味・検討せず、受動的に受け入れた状態を指します。「小さいときに周囲に示された将来の目標を疑問を持たずに受け入れている」という問題文は、この早期完了の特徴そのものです。
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【各選択肢の解説】
1. 早期完了
✅ 正しい。周囲(親・家族)の期待や価値観を疑問なく受け入れ、「危機」を経験していない状態です。本人の主体的な葛藤や検討過程がなく、既存の目標をそのまま採用しています。
2. 同一性達成
❌ 誤り。危機を経験した上で、自分の価値観・目標について主体的に吟味・検討し、それを選択・承諾した状態です。単なる受け入れではなく、葛藤後の能動的な選択が含まれます。
3. モラトリアム
❌ 誤り。危機を経験している途中の状態であり、自分の目標・価値観について模索・試行錯誤をしている段階です。「疑問を持たずに受け入れている」状態ではなく、現在進行形で模索しています。
4. 危機を経験した同一性拡散
❌ 誤り。危機を経験しながらも、明確な目標や価値観の形成に至っていない状態です。葛藤があっても整理されていないため、「疑問を持たずに受け入れている」とは異なります。
5. 危機を経験していない同一性拡散
❌ 誤り。危機も経験せず、同一性も形成されていない未分化な状態です。目標や価値観が定まっていない点で、「受け入れている」という能動性(受動的であれ)がありません。
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【試験対策ポイント】
Marcia の自我同一性4地位(4×2マトリクス)
| 地位 | 危機 | 承諾 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 同一性達成 | あり | あり | 葛藤後、主体的に選択・確立 |
| モラトリアム | あり | なし | 現在模索中(準備段階) |
| 早期完了 | なし | あり | 周囲の期待を疑問なく受け入れ |
| 同一性拡散 | なし | なし | 目標・価値観が未形成 |
キーワード整理:
- 危機(crisis)=主体的な葛藤・検討過程
- 承諾(commitment)=目標・価値観の形成・選択
- 早期完了の本質:「受け身的な承諾」(親や社会的圧力による)
- 同一性達成との違い:葛藤の有無と選択の主体性
頻出混同パターン:
- 「受け入れている」=「早期完了」(主体的否定)
- 「模索している」=「モラトリアム」(承諾なし)
- 「吟味して選んだ」=「同一性達成」(危機+承諾)