第27回 言語聴覚士国家試験 第55問
失語症第27回
純粋失書の責任病巣でないのはどれか
- 1.角回
- 2.下前頭回 ✓
- 3.中前頭回
- 4.上頭頂小葉
- 5.側頭葉後下部
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 下前頭回
純粋失書は「読み書き能力の障害」であり、話す・理解する機能は保持されます。この障害は言語処理の皮質後部ネットワークの障害に基づくため、責任病巣は頭頂葉・側頭葉・後部領域に限定されます。下前頭回(Broca野を含む)は運動性言語出力の中枢であり、純粋失書の責任病巣ではありません。
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【各選択肢の解説】
1. 角回
✅ 正しい。角回(角状回)は頭頂葉にあり、視覚的な文字情報と音韻・意味の結合に重要です。角回障害は視覚性失読を引き起こすため、純粋失書の責任病巣となります。
2. 下前頭回
❌ 誤り。下前頭回はBroca野を含む運動性言語の中枢です。下前頭回の損傷は非流暢失語(Broca失語)を引き起こしますが、純粋失書では「話す能力は保持される」ため、この領域は責任病巣ではありません。
3. 中前頭回
✅ 正しい。中前頭回の後部領域も言語処理ネットワークの一部であり、特に文字処理に関与します。損傷は失書を引き起こしうるため、責任病巣となります。
4. 上頭頂小葉
✅ 正しい。上頭頂小葉は音韻処理・文字と音の対応に関与します。この領域の障害は失読失書を引き起こす可能性があり、責任病巣となります。
5. 側頭葉後下部
✅ 正しい。側頭葉後下部(優位半球)は言語の意味処理中枢です。この領域は失読失書の責任病巣となりえます。
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【試験対策ポイント】
純粋失書の定義と責任病巣:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 純粋失書の定義 | 読み書き機能の選択的障害。会話能力は保持 |
| 責任病巣の特徴 | 頭頂葉・側頭葉・後部領域(言語処理の皮質後部ネットワーク) |
| 除外すべき領域 | 下前頭回(Broca野):運動性言語中枢 |
各領域と症状の関係:
| 領域 | 機能 | 損傷時の症状 |
|---|---|---|
| 角回 | 視覚的文字と音韻の結合 | 視覚性失読 |
| 中前頭回後部 | 文字処理・言語計画 | 失書(話す能力維持) |
| 上頭頂小葉 | 音韻・文字対応 | 失読失書 |
| 側頭葉後下部 | 意味処理 | 失読失書 |
| 下前頭回 | 運動性言語出力 | Broca失語(話す障害) |
重要:純粋失書では「会話は正常」という基準から、Broca野(下前頭回)を含む「運動性言語領域」は責任病巣に含まれません。