第27回 言語聴覚士国家試験 第56問
失語症第27回
語義失語が含まれる失語型はどれか
- 1.超皮質性感覚失語 ✓
- 2.超皮質性運動失語
- 3.言語野孤立症候群
- 4.ジャルゴン失語
- 5.皮質下失語
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 超皮質性感覚失語
超皮質性感覚失語は、ペリシルヴィウス領域(Broca野・Wernicke野)外の後部病変(角回周辺など)により発生し、意味理解の障害が顕著な失語型です。語義失語(意味の理解・操作ができない失語)がその核症状となります。復唱は保持されるため、音韻的には処理できますが、意味へのアクセスが障害されている特徴があります。
---
【各選択肢の解説】
1. 超皮質性感覚失語
✅ 正しい。この失語型は語義失語を典型症状とします。復唱が比較的良好であることが他の感覚型失語(Wernicke失語)との区別点です。
2. 超皮質性運動失語
❌ 誤り。この失語型は自発話が乏しく非流暢ですが、語義失語ではなく「遂行機能障害」が中核です。理解と復唱は保持されます。
3. 言語野孤立症候群
❌ 誤り。ペリシルヴィウス領域全体が孤立した状態で、自動言語(反復・復唱など)は比較的保持されますが、語義失語は含まれません。反響言語が特徴です。
4. ジャルゴン失語
❌ 誤り。造語や音韻錯語の多用が特徴で、Wernicke失語に分類されます。語義失語とは異なる機序です。
5. 皮質下失語
❌ 誤り。大脳白質や基底核などの皮質下病変により生じ、特定の失語型分類に含まれません。語義失語の定義的な特徴ではありません。
---
【試験対策ポイント】
失語型3軸分類表(超皮質性を含む)
| 失語型 | 流暢性 | 理解 | 復唱 | 核症状 |
|---|---|---|---|---|
| 超皮質性感覚 | 流暢 | 不良 | 良好 | 語義失語 |
| 超皮質性運動 | 非流暢 | 良好 | 良好 | 遂行機能↓ |
| Wernicke | 流暢 | 不良 | 不良 | 理解障害 |
キーワード:
- 語義失語=「意味の喪失」(意味への接近困難)
- 超皮質性感覚失語の病巣:角回周辺(Wernicke野外)
- 復唱保持=音韻処理は温存、意味処理が障害
選択肢紛らわしさ対策:
- 2番と1番の違い:流暢性(2番は非流暢)
- 4番ジャルゴン:造語が多い→Wernicke領域病変
- 3番・5番:失語型分類外