第27回 言語聴覚士国家試験 第58問
失語症第27回
誤っているのはどれか
- 1.SALA失語症検査は語音認知能力を評価する項目を含む
- 2.失語症構文検査では4コマ漫画を用いて構文産出能力を評価する ✓
- 3.重度失語症検査ではコミュニケーションに関する残存能力を評価する
- 4.標準抽象語理解力検査は聴覚的理解課題と視覚的理解課題からなる
- 5.レーヴン色彩マトリックス検査は重度の失語症者に実施が可能である
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 失語症構文検査では4コマ漫画を用いて構文産出能力を評価する
失語症構文検査は「文法性判断課題」「構文理解課題」「構文産出課題」で構成されていますが、構文産出能力の評価には「文完成課題」を用いており、4コマ漫画は用いられません。4コマ漫画は物語理解や時系列把握を評価する検査で利用されることはありますが、構文産出を直接測定する方法ではありません。
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【各選択肢の解説】
1. SALA失語症検査は語音認知能力を評価する項目を含む
✅ 正しい。SALA失語症検査は音韻弁別課題など、語音知覚・認知能力を評価する項目を備えており、これは言語音の最も基礎的な処理レベルの評価として位置づけられています。
2. 失語症構文検査では4コマ漫画を用いて構文産出能力を評価する
❌ 誤り。失語症構文検査の構文産出課題は「文完成課題」(穴埋め形式)で構成されており、4コマ漫画を用いません。4コマ漫画形式は物語構造の理解や時間軸の把握に関わる検査で利用される傾向があります。
3. 重度失語症検査ではコミュニケーションに関する残存能力を評価する
✅ 正しい。重度失語症検査の特徴は、言語的能力の欠損に焦点を当てるのではなく、非言語的手段を含めた「残存するコミュニケーション能力」(ジェスチャー、描画、音韻ベースのやり取りなど)を評価することにあります。
4. 標準抽象語理解力検査は聴覚的理解課題と視覚的理解課題からなる
✅ 正しい。標準抽象語理解力検査は「聴覚的理解(音声呈示)」と「視覚的理解(文字呈示)」の2つのモダリティから構成され、抽象語彙の理解を層的に評価できます。
5. レーヴン色彩マトリックス検査は重度の失語症者に実施が可能である
✅ 正しい。レーヴン色彩マトリックス検査は非言語的な推論能力(図形のパターン認識)を測定するため、失語症の重症度に影響されにくく、失語症者の認知機能(言語以外の知的機能)評価に適しています。
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【試験対策ポイント】
失語症検査の分類と特徴(重要)
| 検査名 | 測定対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| SALA失語症検査 | 語音認知→理解→産出(段階的) | 語音弁別課題を含む |
| 失語症構文検査 | 構文理解・産出 | 文完成課題で産出評価(4コマ漫画ではない) |
| 重度失語症検査 | 残存コミュニケーション能力 | 非言語手段を活用した評価 |
| 標準抽象語理解力検査 | 抽象語彙理解 | 聴覚+視覚のモダリティ |
| レーヴン色彩マトリックス | 非言語的推論能力 | 言語負荷が低い→重度失語症者に可能 |
重要な否定知識
・失語症検査における「4コマ漫画」の用途:物語理解・順序理解など、構文産出ではない
・重度失語症検査の価値:言語的ハンディキャップをカバーして能力を抽出できる点