STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第27回 言語聴覚士国家試験 第59問

失語症第27回
喚語機能改善のための訓練法でないのはどれか a.意味セラピー b.音韻セラピー c.機能再編成法 d.モーラ指折り法 e.マッピングセラピー 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:5番

解説
# 第27回 第59問 解説 ■ 正答:5番 — d.モーラ指折り法、e.マッピングセラピー 喚語機能改善のための訓練法として代表的なのは、意味セラピー・音韻セラピー・機能再編成法です。一方、モーラ指折り法は発語失行や失構音に対するリズム形成訓練であり、マッピングセラピーは失文法(Broca失語の統語障害)に対する訓練法であるため、いずれも喚語機能改善を直接の目的とした訓練ではありません。 --- 【各選択肢の解説】 a.意味セラピー ✅ 正しい。単語の意味特性(カテゴリー、機能、属性)を活性化させて喚語困難の改善を図る訓練法です。意味性錯語や語義理解の障害を伴う喚語困難に有効とされます。 b.音韻セラピー ✅ 正しい。単語の音韻構造(語頭音、モーラ数など)へのアクセスを改善する訓練法で、音韻性喚語困難に対して用いられます。語頭音ヒントなどの音韻的手がかりを活用します。 c.機能再編成法(Luriaの機能再編成法) ✅ 正しい。障害された機能を、残存する他の機能系を利用して再建する訓練法で、喚語訓練にも応用されます。 d.モーラ指折り法 ❌ 誤り。モーラ指折り法は**発語失行(失構音)**に対する訓練法で、モーラごとに指を折りながら発話リズムを整えるものです。喚語機能そのものの改善を目的とした訓練ではありません。 e.マッピングセラピー ❌ 誤り。マッピングセラピーは**失文法**(主にBroca失語でみられる統語障害)に対して、動詞を中心に文の主題役割(動作主・対象など)を視覚的に対応づけて理解・産生を促す訓練法です。喚語機能改善が目的ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 **喚語訓練法の3本柱**:意味セラピー・音韻セラピー・機能再編成法。この3つはセットで覚える。 紛らわしい訓練法の対象障害を区別: | 訓練法 | 対象 | |---|---| | 意味セラピー | 喚語困難(意味性) | | 音韻セラピー | 喚語困難(音韻性) | | 機能再編成法 | 喚語困難・失書など | | **モーラ指折り法** | **発語失行(失構音)** | | **マッピングセラピー** | **失文法(統語障害)** | 特にマッピングセラピーは「mapping=主題役割の対応づけ」であり、**失文法の訓練**であることを必ず押さえる。喚語訓練と混同させるのが頻出の引っかけ。
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