第27回 言語聴覚士国家試験 第63問
高次脳機能障害第27回
正しいのはどれか
a.発語失行は口舌顔面失行を伴う
b.観念運動性失行と観念性失行とは合併する
c.観念性失行は一側の大脳半球損傷でも生じる
d.肢節運動失行は左右どちらの大脳半球損傷でも生じる
e.観念運動性失行は損傷と反対側の上肢の出現する
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:4番
解説
# 第27回 第63問 解説
■ 正答:4番 — c,d
失行症は高次運動制御の障害であり、各タイプの責任病巣と症状の出現様式を整理することが重要です。正答はc(観念性失行は一側の大脳半球損傷でも生じる)とd(肢節運動失行は左右どちらの大脳半球損傷でも生じる)です。
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【各選択肢の解説】
a. 発語失行は口舌顔面失行を伴う
❌ 誤り。発語失行は構音運動のプログラミング障害であり、口舌顔面失行(非言語的な口腔・顔面運動の障害)を伴うことはありますが、必ず合併するわけではありません。両者は独立して生じることもあります。
b. 観念運動性失行と観念性失行とは合併する
❌ 誤り。両者は責任病巣や障害機序が異なり、必ず合併するとは限りません。観念運動性失行は単一動作の遂行障害、観念性失行は複数の道具を順序立てて使用する能力の障害であり、別個に生じることが多いとされています。
c. 観念性失行は一側の大脳半球損傷でも生じる
✅ 正しい。観念性失行は主に**左頭頂葉(優位半球)**の損傷で生じ、一側性病変でも出現します。
d. 肢節運動失行は左右どちらの大脳半球損傷でも生じる
✅ 正しい。肢節運動失行は中心前回・中心後回など損傷半球の対側上肢に巧緻運動障害として出現するため、左右どちらの半球損傷でも生じます。
e. 観念運動性失行は損傷と反対側の上肢に出現する
❌ 誤り。観念運動性失行は左半球(優位半球)の損傷で生じることが多く、**両側上肢**に出現するのが特徴です。「反対側のみ」とは限りません。なお肢節運動失行は損傷と反対側に出現します。
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【試験対策ポイント】
**失行の3分類と出現側の整理**
| 失行タイプ | 責任病巣 | 出現側 |
|---|---|---|
| **肢節運動失行** | 中心前回・中心後回(左右どちらでも) | 損傷の**対側**上肢 |
| **観念運動性失行** | 左頭頂葉・縁上回(優位半球) | **両側**上肢 |
| **観念性失行** | 左頭頂葉(優位半球) | **両側**(道具使用障害) |
**覚え方のコツ**
- 「肢節運動失行 → 対側のみ」「観念運動性・観念性 → 両側」
- 観念性失行は「複数の道具を順序立てて使う」能力の障害(例:手紙を封筒に入れて切手を貼る)
- 観念運動性失行は「**パントマイム障害**」(バイバイ・敬礼などができない)
- 発語失行と口舌顔面失行は**合併しうるが必発ではない**点に注意