STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第27回 言語聴覚士国家試験 第64問

高次脳機能障害第27回
病歴聴取や行動観察によって評価する検査はどれか
  1. 1.CDR ✓
  2. 2.MMSE
  3. 3.日本版MoCA-J
  4. 4.レーヴン色彩マトリックス検査
  5. 5.改訂長谷川式簡易知能評価スケール

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — CDR CDR(Clinical Dementia Rating)は、患者本人への聞き取りと家族からの情報、そして医師による臨床的観察を総合的に評価する、半構造化面接法です。「認知機能」だけでなく「日常生活機能」の低下を6領域(記憶・見当識・判断力・社会適応・家事・自己管理)について段階的に評価し、認知症の重症度判定に優れています。記憶力検査ではなく、臨床的総合判断を重視する点が他の選択肢との決定的違いです。 --- 【各選択肢の解説】 1. CDR ❌ 誤解注意。実は最も病歴聴取・行動観察に依存する。本選択肢が「正答」である理由は、他の4選択肢が全て「紙筆検査で定量的に採点される」のに対し、CDRだけが「半構造化面接による臨床的判断」を本質とするため。 2. MMSE ❌ 紙筆検査。認知機能を10項目(見当識2点、直後再生3点、計算5点など)の客観的正答率で点数化します。検査者の面接スキルに依存せず、定量的に採点される特徴があります。 3. 日本版MoCA-J ❌ 紙筆検査。視空間認知・実行機能・言語・注意などを13項目で評価し、30点満点で採点します。MMSEより認知症スクリーニング感度が高いですが、同様に客観的採点が可能な検査です。 4. レーヴン色彩マトリックス検査 ❌ 非言語的推理能力を測定する図形検査。患者が視覚的パターン認識課題に回答する「選択肢を選ぶ」形式であり、病歴聴取とは全く無関係です。 5. 改訂長谷川式簡易知能評価スケール ❌ 紙筆検査。9項目(年月日、年齢、施設名など)を問う客観的採点式です。MMSEと同じく定量的な認知機能検査であり、病歴聴取を本質としません。 --- 【試験対策ポイント】 認知機能スクリーニング検査の分類 | 検査名 | 様式 | 評価内容 | 所要時間 | |---|---|---|---| | CDR | 半構造化面接 | 認知+ADL低下(重症度判定) | 30〜60分 | | MMSE | 紙筆検査 | 認知機能のみ | 10分 | | MoCA-J | 紙筆検査 | 認知機能(より詳細) | 10分 | | 改訂長谷川式 | 紙筆検査 | 認知機能(簡略版) | 5分 | | レーヴン検査 | 非言語推理検査 | 視空間推理 | 可変 | 重要キーワード - CDRの「0.5、1、2、3」段階:認知症の重症度分類に世界標準 - 「病歴聴取と行動観察」=患者の実生活報告+家族情報+医師の臨床判断 - 他4検査=いずれも「紙の上での客観的採点」で成立 - 鑑別のコツ:「検査結果に医師の臨床判断の余地がある」=CDR、「Yes/Noで機械的採点」=他の検査
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