第27回 言語聴覚士国家試験 第65問
言語発達学第27回
正しい組み合わせはどれか
- 1.1か月健康診査 ― 追視
- 2.6か月健康診査 ― 頚定
- 3.1歳6か月健康診査 ― 有意味語の表出 ✓
- 4.3歳児健康診査 ― 発達障害の診断
- 5.5歳児健康診査 ― ごっこ遊び
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 1歳6か月健康診査 ― 有意味語の表出
1歳6か月健康診査は母子保健法で定められた5つの節目健診の一つであり、この時期に有意味語(ママ、パパなど)の表出が確認できることが発達指標として重要です。言語発達の評価は健康診査の中核をなす項目です。
---
【各選択肢の解説】
1. 1か月健康診査 ― 追視
❌ 誤り。1か月時点では追視はまだ出現していません。追視は通常2〜3か月で出現します。1か月健康診査では原始反射(吸啜反射・把握反射)などを評価するのが適切です。
2. 6か月健康診査 ― 頚定
❌ 誤り。頚定は通常3〜4か月で完成します。6か月時点では既に頚定が完了しており、むしろ寝返りが出現する時期です。6か月健康診査では寝返りや座位保持の傾向を評価します。
3. 1歳6か月健康診査 ― 有意味語の表出
✅ 正しい。1歳6か月は言語発達の重要な節目であり、有意味語(初語)の表出が確認できることが発達指標です。この時期に語彙は約50語程度に達します。
4. 3歳児健康診査 ― 発達障害の診断
❌ 誤り。3歳児健康診査は「発達の経過観察と相談」の場であり、「診断を下す場」ではありません。発達障害の診断は医学的判断であり、医師による医療機関での診察・診断が必要です。健康診査は発達の遅れを「スクリーニング」する段階です。
5. 5歳児健康診査 ― ごっこ遊び
❌ 誤り。ごっこ遊び(象徴遊び)は通常2〜3歳で出現します。5歳児健康診査では就学前の判定が目的であり、就学支援の必要性や学習準備状態を評価する段階です。
---
【試験対策ポイント】
乳幼児健康診査(5つの節目)と発達指標の対応
| 健診時期 | 確認すべき発達指標 |
|---|---|
| 1か月 | 原始反射の消失傾向、吸啜反射 |
| 3か月 | 追視、寝返りの傾向、社会的微笑 |
| 6か月 | 寝返り、座位の傾向、初語の前兆 |
| 1歳6か月 | 有意味語(初語)、指差し、歩行 |
| 3歳 | 二語文・三語文、語彙拡大、社会性 |
発達段階別の言語・遊び発達
| 月齢 | 言語発達 | 象徴遊び |
|---|---|---|
| 6か月 | 喃語形成 | なし |
| 9か月 | 初語の前兆 | 初期象徴遊び |
| 12か月 | 初語(有意味語) | ごっこ遊びの準備 |
| 18か月 | 語彙50語、指差し | ごっこ遊び開始 |
| 24か月 | 二語文出現 | ごっこ遊び発展 |
| 36か月 | 三語文以上 | 社会的ごっこ遊び |
重要な区別:健康診査 vs 診断
- 健康診査:「発達スクリーニング」「相談・指導」
- 診断:医療機関の医師による医学的判定(発達障害の診断は保健師の役割ではない)
重要な否定知識
- 1か月で追視は不可(早すぎる)
- 6か月で頚定が問題になることはない