STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第27回 言語聴覚士国家試験 第66問

言語発達障害学第27回
標準的な発達として誤っているのはどれか
  1. 1.1歳前に社会的参照がみられる
  2. 2.1歳過ぎで意図の伝達が始まる ✓
  3. 3.2歳代で助詞の誤用がある
  4. 4.4歳代で「サリーアン課題」が通過できる
  5. 5.5歳代でしりとり遊びをする

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 1歳過ぎで意図の伝達が始まる 意図的なコミュニケーションは1歳前(6~9ヶ月頃)に既に成立しています。指差しや身振りなどの身振り的身振りが出現し、相手の反応を求めるジェスチャーが見られる時期です。1歳過ぎというのは遅すぎる記述であり、標準的発達と合致しません。 --- 【各選択肢の解説】 1. 1歳前に社会的参照がみられる ✅ 正しい。社会的参照(他者の顔の表情を見て、その状況の安全性や対応を判断する行動)は、生後9ヶ月~1歳前に発達します。不確かな状況で養育者の表情を確認する典型的な行動です。 2. 1歳過ぎで意図の伝達が始まる ❌ 誤り。意図的コミュニケーションの開始は6~9ヶ月(1歳前)です。この時期に身振り的ジェスチャー(指差し・指差し要求・差し出す等)が出現し、相手に自分の意図を伝え始めます。1歳過ぎは既に達成されている段階の説明のため誤りです。 3. 2歳代で助詞の誤用がある ✅ 正しい。2歳代は2語文から多語文へ移行する時期であり、助詞の習得過程にあります。「は」「が」「を」などの助詞を誤用する発達段階は標準的です。 4. 4歳代で「サリーアン課題」が通過できる ✅ 正しい。サリーアン課題は「心の理論」(他者の心的状態を理解する能力)を測定する古典的検査です。標準的には3~4歳で通過でき、4歳代はこの能力が確実に定着する時期です。 5. 5歳代でしりとり遊びをする ✅ 正しい。しりとりは言葉の最後の音を認識し、その音で始まる新しい言葉を想起する必要があり、メタ言語的能力が必要です。5歳代(就学前)にこの能力が発達し、遊びとして成立します。 --- 【試験対策ポイント】 乳幼児の発達段階(コミュニケーション関連) | 時期 | 身振り・ジェスチャー | 音声・言語 | その他発達 | |---|---|---|---| | 6~9ヶ月 | 身振り的ジェスチャー出現(指差し要求) | 喃語増加 | 社会的参照開始 | | 9~12ヶ月 | 指差し応答・共同注視 | 初語に向かう | 対象の永続性理解 | | 1歳前後 | 指差し開始、身振り模倣 | 初語(初語から語彙爆発へ) | 心の理論準備段階 | | 1歳6ヶ月 | 非言語コミュニケーション顕著 | 語彙約50語、語彙爆発期 | 1段階の指示理解 | | 2歳 | 身振りの発達継続 | 2語文、助詞誤用開始 | 指示的遊び開始 | | 3~4歳 | 身振りの洗練 | 複文出現 | 心の理論通過(サリーアン課題) | | 5歳代 | 身振りが精緻化 | メタ言語能力発達 | しりとり遊び可能 | 重要な否定知識 - 意図的コミュニケーションは「1歳前」に開始(1歳過ぎではない) - 社会的参照の開始は「生後9ヶ月前後」(1歳以降ではない)
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