STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第27回 言語聴覚士国家試験 第71問

言語発達障害学第27回
前言語期における指導で適切でないのはどれか
  1. 1.物への注目や探索行動を促す
  2. 2.子供が努力してできたことをほめる
  3. 3.子供から人に働きかける自発性を育てる
  4. 4.パターン的な遊びが正確に模倣できるようにする ✓
  5. 5.自分の行為に対し大人の反応が返ってくる因果関係に気づかせる

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — パターン的な遊びが正確に模倣できるようにする 前言語期は言語獲得以前の時期(0~1歳6ヶ月程度)で、この時期の指導は「コミュニケーション基盤の形成」に重点を置きます。「正確な模倣」を強要することは、発達段階に適さない指導であり、むしろ子どもの自発性や相互作用性を損なう恐れがあります。前言語期では、遊びやコミュニケーションの「質」よりも「相互交流」を重視すべき時期です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 物への注目や探索行動を促す ✅ 正しい。前言語期では、物体認知や環境への興味が言語発達の基盤となります。指差しや物の機能理解につながる重要な指導です。 2. 子供が努力してできたことをほめる ✅ 正しい。努力過程を認める「プロセス賞賛」は、子どもの自発性や挑戦意欲を高め、後の言語学習につながります。 3. 子供から人に働きかける自発性を育てる ✅ 正しい。共同注視や相互作用の形成は、前言語期における最重要課題です。一方的な指導ではなく、子どもの主体性を引き出す必要があります。 4. パターン的な遊びが正確に模倣できるようにする ❌ 誤り。「正確に模倣できるようにする」という厳密さの追求は、前言語期の発達段階に不適切です。この時期は試行錯誤や遊びの自由性が重要であり、正確性よりも相互作用性を優先すべきです。 5. 自分の行為に対し大人の反応が返ってくる因果関係に気づかせる ✅ 正しい。「行為→反応」の因果関係の理解は、将来のコミュニケーション意図の形成(語用論的基盤)に不可欠な指導です。 --- 【試験対策ポイント】 前言語期の発達段階と指導の重点: | 時期 | 主な発達課題 | 指導の重点 | |---|---|---| | 0~3ヶ月 | 音への反応、視線 | 音環境、感覚刺激 | | 3~6ヶ月 | 喃語、共同注視の芽生え | 大人との相互作用 | | 6~9ヶ月 | 指差し、物の認知 | 物への注目・命名 | | 9~12ヶ月 | 音模倣、指差し確立 | 相互作用、因果関係 | | 12~18ヶ月 | 初語、語彙増加 | 自発的表現の強化 | 誤選択肢の見分け方:「正確に~できるようにする」「~を教える」という一方的・規範的な指導は、前言語期では不適切。この時期は「促す」「育てる」「気づかせる」といった、子どもの主体性と相互作用性を重視した表現が正答になりやすい。 キーワード:共同注視、相互作用性、自発性、因果関係理解、プロセス賞賛
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