STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第27回 言語聴覚士国家試験 第73問

言語発達障害学第27回
指導法について関連性が低い組み合わせはどれか。
  1. 1.ICT ― 視覚化
  2. 2.インリアル ― リハーサル ✓
  3. 3.PECS ― プロンプト
  4. 4.拡大・代替コミュニケーション ― アクセシビリティー
  5. 5.ソーシャルスキル・トレーニング ― モデリング

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — インリアル ― リハーサル インリアルはセラピストが日常的な実生活場面で自然な文脈を利用して言語刺激を提供する指導法であり、その核となる戦略は「水平的展開」「マッピング」「拡張」などです。一方「リハーサル」は反復練習を意味し、人工的・構造化された練習場面での手法であるため、インリアルの自然主義的アプローチと関連性が低いです。 --- 【各選択肢の解説】 1. ICT ― 視覚化 ✅ 正しい。ICT(情報通信技術)は視覚的な提示(スライド・動画・画像・文字表示など)を活用し、学習内容を視覚化することで理解と定着を促進します。この関連性は高いです。 2. インリアル ― リハーサル ❌ 誤り。インリアルは自然な日常生活場面での学習を重視するアプローチであり、リハーサル(反復練習)は人工的で構造化された練習を意味します。インリアルの目的は「自然文脈での習得」「汎化の促進」にあり、リハーサルのような反復練習とは対立する特性を持ちます。 3. PECS ― プロンプト ✅ 正しい。PECS(絵カード交換コミュニケーション)は、プロンプトシステム(身体的プロンプト→部分的プロンプト→言語プロンプトの段階的フェードアウト)を活用して段階的に自発性を引き出す手法です。プロンプトは核となる支援戦略です。 4. 拡大・代替コミュニケーション ― アクセシビリティー ✅ 正しい。AAC(拡大・代替コミュニケーション)は身体障害や重度言語障害のある人が、音声以外の手段でアクセスしやすいコミュニケーション方法を提供するものであり、アクセシビリティー(利用しやすさ)はAAC開発の本質的目標です。 5. ソーシャルスキル・トレーニング ― モデリング ✅ 正しい。SST(社会的スキルトレーニング)は、セラピストが正しい社会行動を示す「モデリング」を行い、その後クライエントが模倣・リハーサルを通じてスキルを習得する方法論です。モデリングはSSTの中核戦略です。 --- 【試験対策ポイント】 | 指導法 | 核となる戦略・概念 | 特徴 | |---|---|---| | ICT | 視覚化・情報提示 | 技術を活用した視覚的支援 | | インリアル | 自然文脈での展開・汎化促進 | 日常場面を最大活用(反復練習を避ける) | | PECS | プロンプトシステム・段階的フェード | 交換行動を通じた自発性の育成 | | AAC | アクセシビリティー・利用しやすさ | 障害者のコミュニケーションアクセス保証 | | SST | モデリング・リハーサル・般化 | 社会行動スキルの模倣習得 | **頻出混同ポイント** - インリアルは「自然主義的」=反復練習や過度な構造化を避ける - リハーサルは「人工的な反復」=インリアルの理念と相反する - PECS=プロンプト段階的フェードアウトが必須 - AAC=すべての障害者が「アクセス可能」であることが前提
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