第27回 言語聴覚士国家試験 第95問
補聴器・人工内耳第27回
騒音職場での聴覚管理について正しいのはどれか。
1.雇い入れ時には他覚的聴カ検査を行う。
b.3か月に一度全員に選別聴カ検査を行う。
c. 週末と休日明けとの聴力の変動に注意する。
d. 作業環境の評価には等価騒音レベルが用いられる。
e. 聴カ検査においては低音域の閾値について注意する。
1. a,b
2.a,e
3.b,c
4.c,d
5.d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — c,d
騒音職場での聴覚管理は、騒音性難聴の発症予防と早期発見が目的です。正答はc(週末と休日明けの聴力変動に注意)とd(作業環境評価に等価騒音レベルを使用)です。これらは騒音職場での聴力低下の特徴と労働衛生管理の標準的手法を示しています。
---
【各選択肢の解説】
a. 雇い入れ時には他覚的聴力検査を行う。
❌ 誤り。雇い入れ時には「自覚的聴力検査(純音聴力検査)」を行います。他覚的検査(ABR・インピーダンス検査など)は通常の騒音職場聴覚管理の初期検査として行われません。自覚的検査で基準値を記録することが重要です。
b. 3か月に一度全員に選別聴力検査を行う。
❌ 誤り。選別聴力検査の実施間隔は「6か月~1年に1回」が標準です。3か月ごとに全員検査することは過度な検査となり、現実的ではありません。ただし高騒音曝露者は1年に2回以上の検査が推奨される場合があります。
c. 週末と休日明けとの聴力の変動に注意する。
✅ 正しい。騒音性難聴は「一時的閾値上昇(TTS:Temporary Threshold Shift)」を初期に示します。週末や連休後に聴力が回復することで、可逆的な聴力低下が起こっていることが確認できます。この変動に注意することで、永続的な聴力低下(PTS)への進行を早期に察知できます。
d. 作業環境の評価には等価騒音レベルが用いられる。
✅ 正しい。労働衛生管理における騒音暴露評価は「等価騒音レベル(Leq)」を標準として用います。これは8時間の時間加重平均騒音レベルで、騒音性難聴のリスク評価に適しています。
e. 聴力検査においては低音域の閾値について注意する。
❌ 誤り。騒音性難聴の特徴は「高音域(特に4kHz)の低下」です。低音域は比較的保存されます。注意すべきは4000Hzの聴力低下(騒音ノッチ)であり、低音域ではなく高音域の閾値変動が重要です。
---
【試験対策ポイント】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 初期検査 | 自覚的聴力検査(純音聴力検査)|
| 検査間隔 | 6か月~1年に1回(高騒音労働者は1年2回以上) |
| 一時的閾値上昇(TTS) | 週末・連休後に回復する可逆的低下 |
| 永続的閾値上昇(PTS) | 回復しない聴力低下→騒音性難聴診断 |
| 環境評価 | 等価騒音レベル(Leq)使用 |
| 低下パターン | 4000Hz(騒音ノッチ)→高音域が特徴 |
| 管理基準値 | Leq 85dB(8時間)が指導対象 |
キーワード:「自覚的」「6か月~1年」「高音域低下」「等価騒音レベル」