STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第134問

生涯発達心理学第28回
一般的な成人期の発達に当てはまらないのはどれか。
  1. 1.今の役割や責任を遂行したい気持ちになる。
  2. 2.これまでの自分の生き方を吟味する。
  3. 3.出産や子育ての経験が発達課題の達成に不可欠である。 ✓
  4. 4.自分の人生への確信が持ちにくい。
  5. 5.人生の有限性を意識する。

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 出産や子育ての経験が発達課題の達成に不可欠である。 成人期の発達課題は,役割や責任の遂行,人生への問い直し,人生の有限性の認識など,普遍的な心理的課題です。しかし出産・子育ては**人生選択の一つであり,これらを経験しない場合でも発達課題を十分に達成できます**。独身者,子どものない夫婦,LGBTQ+など多様な人生選択を考慮すれば,出産・子育てを「不可欠」とするのは発達心理学的に誤りです。 --- 【各選択肢の解説】 1. 今の役割や責任を遂行したい気持ちになる。 ✅ 正しい。成人期は職業人・家族成員・地域社会成員としての役割が増加し,それらの役割遂行への動機づけが高まる時期です。これは生涯発達心理学における成人期の重要な課題となります。 2. これまでの自分の生き方を吟味する。 ✅ 正しい。40代前後に「人生を振り返る」機会が訪れ,自分の価値観や人生の意味づけを再検討する過程が起こります。Eriksonの「成人期の課題」や「ミッドライフクライシス」として知られています。 3. 出産や子育ての経験が発達課題の達成に不可欠である。 ❌ **誤り。成人期の発達課題は出産・子育てを**必須条件としません。出産・子育ては人生選択肢の**一つに過ぎず**,独身者や子どものない人も同じ心理的課題に直面し乗り越えることで発達を遂行します。発達心理学は多様なライフコース(人生経路)を認めるため,特定の人生経験を「不可欠」と述べることは誤りです。 4. 自分の人生への確信が持ちにくい。 ✅ 正しい。成人期は人生選択が増え,かつ人生の後半戦を意識し始める時期です。そのため「本当にこの選択で良かったのか」「残された人生をどう過ごすか」という不確実性に直面し,完全な確信を持ちにくくなります。 5. 人生の有限性を意識する。 ✅ 正しい。Eriksonやネウガルテン等の研究では,成人期特に中年期以降は「時間的逆転」(人生の終わりに意識が向く)が起こり,死への接近感や有限性の自覚が発達課題になると指摘されています。 --- 【試験対策ポイント】 **成人期発達の中核概念** 成人期の発達課題は以下3点を軸に整理します: | 課題の種類 | 内容 | 留意点 | |---|---|---| | **役割の課題** | 職業・親・パートナーなど複数役割の遂行 | 非婚化・少子化により「子どもを持つ」は選択肢化 | | **人生統合の課題** | 過去を吟味し人生の意味を構成する | 「ミッドライフ・レビュー」が典型例 | | **有限性の認識** | 死への接近感・残された時間の自覚 | 40代以降に顕著。「時間的視点の変化」 | **「不可欠」という表現が出てきたら要注意** - 発達心理学では**多様なライフコース**を尊重します - 「結婚すること」「子どもを持つこと」「親になること」などは**個人の選択**であり,これなしに発達課題を達成できないという主張は誤りです - 多様性・インクルーシブの観点からも,特定の人生経路を「必須」とする記述は避けられるべき内容です **Erik
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