第28回 言語聴覚士国家試験 第157問
失語症第28回
誤っている組合せはどれか。
- 1.超皮質性運動失語 - 発話開始困難
- 2.超皮質性感覚失語 - 語音認知障害 ✓
- 3.ブローカ失語 - 仮名錯書
- 4.ウェルニッケ失語 - 空語句
- 5.伝導失語 - 語長効果
正答:2番
解説
# 第28回 第157問 解説
■ 正答:**2番** — 超皮質性感覚失語 - 語音認知障害
**超皮質性感覚失語の特徴は「聴理解障害(意味理解の障害)」であり、「語音認知障害」ではありません。** 語音認知(音声の弁別・認識)は保たれており、むしろ聴いた言葉を正確に復唱できることが診断的特徴です。聴理解障害なのに復唱が良好という矛盾した臨床像が超皮質性感覚失語の核です。
---
## 【各選択肢の解説】
### 1. 超皮質性運動失語 - 発話開始困難
✅ **正しい。** 超皮質性運動失語の責任病巣は左前大脳動脈領域(補足運動野周辺)で、発動性(initiation)の低下が特徴です。自発話が極度に少なく、発話開始困難を示します。命令や質問への反応も遅延します。
### 2. 超皮質性感覚失語 - 語音認知障害
❌ **誤り。** これが正答です。超皮質性感覚失語患者の語音認知は**正常です**。聴いた音声を正確に弁別・復唱できます。障害されるのは「**語意(意味)の理解**」です。つまり、「パイナップル」という音声は正確に聞こえて復唱もできるが、その語が何を意味するかは理解できません。聴理解テストでは成績が不良ですが、復唱テストの成績は良好という矛盾を示します。
### 3. ブローカ失語 - 仮名錯書
✅ **正しい。** ブローカ失語では失読・失書を伴うことが多く、特に仮名文字での誤りが顕著です。特に「ひらがな」での換字(文字の置換)や音韻的誤りが報告されています。これは運動性の書字障害と言語処理レベルの障害が複合しているためです。
### 4. ウェルニッケ失語 - 空語句
✅ **正しい。** ウェルニッケ失語は流暢な発話を特徴とします。その流暢性を支える重要な特徴が「**空語句(jargon、パラ言語の多用)**」です。「あの…えっと…まあ…」といった内容のない語句や言語化されない音声の挿入により、語数は多いが意味内容が乏しい発話になります。この空語句が多用されるほど、聴き手は内容を把握しにくくなります。
### 5. 伝導失語 - 語長効果
✅ **正しい。** 伝導失語では復唱が著しく障害されますが、特に「**短い単語は復唱しやすく、長い文は復唱が困難になる**」という**語長効果(length effect)**が顕著です。これは音韻ループ(音韻作業記憶)の容量制限を反映しています。弓状束の損傷により音韻情報の保持・操作が困難になるため、負荷の高い長い文ほど成績が低下します。
---
## 【試験対策ポイント】
### ■ 超皮質性失語の "ポイント解析" (重点項目)
超皮質性失語は**「皮質下白質(特に弓状束を温存)」の障害**を特徴とし、Broca野・Wernicke野は原則として保たれます。
| 失語タイプ | 病巣 | 流暢性 | 聴理解 | 復唱 | 最大の特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| **超皮質性運動失語** | 左前大脳動脈域(補足運動野) | 非流暢 | 良好 | 良好 | **発