第28回 言語聴覚士国家試験 第158問
失語症第28回
重度失語症者では正しい評価が困難な検査はどれか。
- 1.WAB 失語症検査
- 2.標準失語症検査(SLTA)
- 3.ベントン視覚記銘検査
- 4.改訂長谷川式簡易知能評価スケール ✓
- 5.日本版レーヴン色彩マトリックス検査
正答:4番
解説
# 第28回 第158問 解説
■ 正答:4番 — 改訂長谷川式簡易知能評価スケール
重度失語症者は**言語的反応が著しく制限される**ため、言語に大きく依存した検査では正確な評価ができません。改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)は「今日の日付は?」「ここはどこ?」などの**口頭質問と口頭応答が中心**であり、言語表出能力が極めて低い重度失語症者では「理解はあっても答えられない」という状況が頻発します。その結果、実際の認知機能より著しく低く評価される(偽陽性的に認知障害と診断される)リスクが高まります。
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【各選択肢の解説】
1. **WAB失語症検査**
✅ 重度失語症者でも評価可能です。自発話の多寡や復唱の可否など**言語の枠組み内で設計**されており、重度者でも「0点」という明確な成績が得られます。失語症の分類・重症度判定が目的であるため、言語機能が極めて低い患者こそが対象です。
2. **標準失語症検査(SLTA)**
✅ WAB同様、失語症患者を対象に開発された検査です。聴理解・読解・復唱・呼称など**言語の各側面を細かく評価**することで、重度失語症でも障害パターンが把握できます。
3. **ベントン視覚記銘検査**
✅ 幾何学図形の**視覚的記銘と再生**を評価し、言語反応がほとんど必要ありません。視空間認知や視覚性記憶の機能を評価でき、重度失語症者でも実施可能です。「描写」という非言語的な反応形式が本質的な特徴。
4. **改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)**
❌ 言語理解と言語表出に**強く依存**した検査です。「年号は?」「100から7を引いたら?」などの計算問題も言語化が前提。重度失語症者が理解していても答えられない場合、スコアは低下し、認知機能が過度に低く評価されます。**言語障害と認知障害の区別が困難**になるため、不適切です。
5. **日本版レーヴン色彩マトリックス検査**
✅ **非言語的(言語表出不要)な視覚推理能力**を測定します。問題の理解も図形の指差しで可能であり、言語能力の影響を受けにくいため、重度失語症者でも施行できます。
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【試験対策ポイント】
**重度失語症者の評価で重要な3つの視点:**
| 視点 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| **言語依存度** | 検査の指示理解・反応が言語に依存するか | HDS-Rは高い。レーヴン検査は低い |
| **代償手段の可能性** | 指差し・選択肢提示・描画などで答えられるか | 視覚記銘検査は描写で対応可。口頭質問は困難 |
| **検査目的との適合性** | 失語症の評価なのか、認知機能の評価なのか | WAB・SLTAは失語症評価。HDS-Rは認知スクリーニング |
**臨床的実装のポイント:**
- 重度失語症の認知機能評価には**HDS-Rは避け、レーヴン検査・MMSE改良版など非言語的検査を優先**
- 理解が保持されている患者なら、言語表出の困難さを補う工夫(複数選択肢提示・yes/noで答えられる質問化)で対応
- **「失語症患者 = 認