STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第164問

言語発達障害学第28回
正しいのはどれか。
  1. 1.注意欠如多動症の有病率は小児期では男子より女子の方が高い。
  2. 2.ダウン症候群は 22 トリソミーの染色体異常である。
  3. 3.自閉スペクトラム症のDSM-5-TRによる診断基準に感覚の過敏さは含まれない。
  4. 4.脳性麻痺のアテトーゼ型は錐体路の障害が主である。
  5. 5.特異的言語発達障害の併存症に注意欠如多動症がある。 ✓

正答:5番

解説
# 第28回第164問 解説 ■ 正答:5番 — 特異的言語発達障害の併存症に注意欠如多動症がある 特異的言語発達障害(Specific Language Impairment, SLI)と注意欠如多動症(ADHD)の両者は神経発達的な重複が高く、併存率が高いことが報告されています。どちらも幼児期から学童期にかけて言語・学習の困難を示す傾向があり、臨床現場でも同時に診断されることが少なくありません。したがって5番が正答です。 --- 【各選択肢の解説】 **1. 注意欠如多動症の有病率は小児期では男子より女子の方が高い。** ❌ **誤り。** ADHD の有病率は小児期では**男子が女子の3〜5倍高い**とされています。男子の方が診断されやすい理由は、多動性・衝動性(外向的症状)が女子より顕著に表出しやすいためです。女子のADHDは不注意型が相対的に多く、内化的で気づかれにくい傾向があります。しかし有病率の絶対値は男子が上回ります。 **2. ダウン症候群は 22 トリソミーの染色体異常である。** ❌ **誤り。** ダウン症候群は**21トリソミー**です。22トリソミーはEdwards症候群(18トリソミー)、Patau症候群(13トリソミー)と並ぶ常染色体異常ですが、ダウン症候群ではありません。21番染色体が3本になる核型の異常が定義的特徴です。 **3. 自閉スペクトラム症のDSM-5-TRによる診断基準に感覚の過敏さは含まれない。** ❌ **誤り。** DSM-5-TR のASD診断基準では、感覚の過敏さ(感覚刺激への反応の異常性)が**限定的で反復的な行動・興味・活動パターン**の診断基準の一部として**明示的に含まれています**。聴覚・視覚・嗅覚・味覚・触覚の過敏性や逆に鈍感さは、ASD の認識において重要な要素です。DSM-5(改訂前)以降、この点が強調されるようになりました。 **4. 脳性麻痺のアテトーゼ型は錐体路の障害が主である。** ❌ **誤り。** アテトーゼ型脳性麻痺は**基底核(特に被殻)の障害**が主です。不随意運動(蛇のようにうねる動き=アテトーゼ)と筋緊張の変動が特徴です。一方、錐体路の障害が主なのは**痙直型脳性麻痺**(最多・60〜70%)であり、筋緊張亢進・腱反射亢進・速度低下した痙性構音障害を呈します。 **5. 特異的言語発達障害の併存症に注意欠如多動症がある。** ✅ **正しい。** 特異的言語発達障害(SLI)とADHDの併存率は約25〜40% と報告されており、両者の神経基盤の重複が示唆されています。特に: - 言語処理に関わる前頭葉機能と注意制御機能の共通性 - 語彙習得困難と不注意の相乗効果 - 学習支援の必要性が増加 臨床現場ではSLIの子どもにADHDの併存を見逃さないことが重要です。 --- 【試験対策ポイント】 **① ADHD の男女差(頻出・必ず押さえる)** | 観点 | 男子 | 女子 | |---|---|---| | 有病率(小児期) | 女子の3〜5
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