第28回 言語聴覚士国家試験 第167問
言語発達障害学第28回
田中ビネー知能検査Vについて誤っているのはどれか。
- 1.知能指数は CA÷MA×100で算出される。 ✓
- 2.「用途による物の指示」は1歳級の問題である。
- 3.ある年齢級の項目がすべて不通過になったら中止する。
- 4.基底年齢は全問できた年齢級に1を加えた年齢である。
- 5.1歳級で正答が得られない場合は発達チェックができる。
正答:1番
解説
# 第28回 第167問 — 田中ビネー知能検査Vについて
■ **正答:1番** — 知能指数は CA÷MA×100で算出される。
**正答の理由**
知能指数(IQ)は**MA÷CA×100**で計算されます。設問の「CA÷MA×100」は逆の式であり誤りです。IQが100という基準値は、MA(精神年齢)がCA(生活年齢)に一致している状態を表します。
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## 【各選択肢の解説】
**1. 知能指数は CA÷MA×100で算出される。**
❌ 誤り。IQの計算式は**IQ = MA÷CA×100**です。分子と分母が逆になっています。例えば、CA 6歳でMA 8歳の場合、IQ = 8÷6×100 = **133**となり、優秀域です。
**2. 「用途による物の指示」は1歳級の問題である。**
✅ 正しい。田中ビネー検査Vの1歳級に含まれる項目です。「スプーン・ハンカチ・靴など日常用品の機能」を理解し指さすかどうかを評価します。
**3. ある年齢級の項目がすべて不通過になったら中止する。**
✅ 正しい。実施の終了規則です。「天井効果」を避けるため、被検査者がある年齢級の全項目に失敗したら、それ以上高い年齢級は実施しません。
**4. 基底年齢は全問できた年齢級に1を加えた年齢である。**
✅ 正しい。基底年齢(base age)は、ある年齢級のすべての項目に正答した最初の年齢級です。その後の項目で部分的な正答が続いた場合、基底年齢に加点されます。
**5. 1歳級で正答が得られない場合は発達チェックができる。**
✅ 正しい。1歳級より下の発達段階の評価には「**発達チェック問題**」が用意されており、より低い月齢の発達水準を測定できます。
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## 【試験対策ポイント】
**知能指数(IQ)の計算は国試頻出**であり、分子・分母の順序は確実に覚える必要があります。
| 項目 | 内容 | 臨床的意味 |
|---|---|---|
| **MA(精神年齢)** | 被検査者が実際に獲得している発達水準 | 高いほど発達が進んでいる |
| **CA(生活年齢)** | 実際の年齢 | 基準となる参照値 |
| **IQ = MA÷CA×100** | 発達のバランス | 100=正常、100以上=優秀、以下=遅滞 |
| **基底年齢** | 全問正答した最初の年齢級 | 加点の開始点 |
| **上限年齢** | 項目が全部不通過になった年齢級 | 実施終了のポイント |
**他の乳幼児知能検査との区別**:
- **新版K式発達検査**:認知・言語・社会・運動・適応の5領域を同時測定
- **Bayley乳幼児発達検査**:0~3.5歳対象、認知・言語・社会情動の3領域
- **田中ビネー検査V**:年齢級方式で**聴力や視力の障害がある場合にも工夫すれば適用可能**な特徴がある
**発達チェック問題の役割**:標準化されたビネー検査の年齢級より下の段階を評価するため、非常に低い発達水準の幼児でもスクリーニングが可能です。